OKWAVE Stars Vol.893は映画『歩けない僕らは』(2019年11月23日公開)に出演の落合モトキさんへのインタビューをお送りします。
Q 回復期リハビリテーション病棟を題材とした本作についてどのように感じましたか。
A落合モトキ佐藤快磨監督とプロデューサーにお会いして台本を読ませていただきました。監督は僕より1歳年上で現在30歳ですが「僕よりも1歳だけ年上の方がこんなに繊細な台本を書くんだ」と感じました。
Q 病院を事前に見学されたそうですね。
A落合モトキそういったところに行くのは初めてでしたが、いい機会をいただけたと思います。事前に見学せずにいきなり訪れて撮影、ということだったらきっと戸惑っていたと思います。事前に見ることができてよかったと思います。その病院で撮影も行っているので、撮影中も実際にリハビリをされている方もが周りにいらっしゃいました。
Q 左片麻痺患者の柘植役をどう捉えましたか。
A落合モトキアラサーの板金をやっているお兄ちゃんです。後輩もできてバリバリ働いているある日突然脳卒中で半身が動かなくなってしまいます。このようなことになったら誰しもが同じような立場になってしまうのだろうなと思いました。柘植は「元の人生に戻れますかね?」と言いますが、誰しもそう思うと思います。
Q 柘植役の芝居についてはいかがでしたか。
A落合モトキリハビリ病棟を訪問した時に、リハビリをされている患者さんのことを見学して参考にしましたが、動きを真似するだけではこの柘植という役はできないなと思いました。皆さん生きようとしているのを感じました。それを事前に見ていてよかったと思います。
撮影にあたっては、監督の撮りたいものにいきなり合わせるというよりは、近い距離感で話し合いながらジワジワと合わせていくようなやり方でした。
Q 柘植を担当する新人理学療法士役の宇野愛海さんとの共演はいかがでしたか。
A落合モトキ宇野さんとは現場ではほとんど話さなかったんですが、いい女優さんでした。気持ちよくセリフのキャッチボールができたので、僕らの関係性がスクリーンに出ているんじゃないかと思います。もちろん終わってからは話しましたが、この作品では柘植は劇中、全く笑わないですし、役柄としても事前に仲良くしている必要はなかったですから(笑)。僕は相手に合わせるタイプなので、もっと話しかけてきたら話したと思いますが、お互いに同じ方向を向いていたということだと思います。
Q 柘植が久々にタバコを吸った時に言うセリフが印象的です。
A落合モトキ監督もそこは“パンチライン”と呼んで推していました。監督の入院していた身内の方が退院後にタバコを吸った時に言った言葉だと、そのシーンへの思い入れを語っていました。
Q 本作出演を通じての新しい発見などはありましたか。
A落合モトキやはり日々のありがたみを感じました。半身麻痺になると、今までできていたことが半分もできなくなって、同じ仕事が続けられなくなってしまう可能性があります。普通にできていたことへの“ありがとう”という感謝の気持ちが出てくると思います。
Q 役者として大事にしていることはいかがでしょう。
A落合モトキ順応できることです。役者の中には「俺はこうしたい」という方もいらっしゃいますが、僕はそういうものがないんです。映画は監督の作品なので、監督がOKと言えばよいので、事前の準備はもちろんしますが、あまり自分のこだわりはないです。
あとは、飲みの場では演技論を語らないことです。一緒に飲む役者の友だちもそういう話をしない同士です(笑)。
Q 落合モトキさんからOKWAVEユーザーにメッセージ!
A落合モトキ一歩前に踏み出す勇気をもらえる作品ですので、そう感じていただけたらいいなと思います。まず新宿K’s cinemaで上映が始まりますが、ぜひ劇場に足を運んでいただけたらと思います。
■Information
『歩けない僕らは』
2019年11月23日(土)より新宿K’s cinemaにて公開他全国順次
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭
国内コンペティション部門 短編部門 観客賞受賞作品
宮下遥は、回復期リハビリテーション病院1年目の理学療法士。まだ慣れない仕事に戸惑いつつも、同期の幸子に、彼氏・翔の愚痴などを聞いてもらっては、共に励まし合い頑張っている。担当していたタエが退院し、新しい患者が入院してくる。仕事からの帰宅途中に脳卒中を発症し、左半身が不随になった柘植。遥は初めて入院から退院までを担当することになる。「元の人生には戻れますかね?」と聞く柘植に、何も答えられない遥。日野課長と田口リーダーの指導の元、現実と向き合う日々が始まる。
出演:宇野愛海 落合モトキ
板橋駿谷 堀春菜 細川岳 門田宗大
山中聡 佐々木すみ江
監督・脚本・編集:佐藤快磨
配給・宣伝:SPEAK OF THE DEVIL PICTURES
公式サイト:aruboku.net
©映画『歩けない僕らは』
■Profile
落合モトキ
1990年7月11日生まれ。
2001年より役者として多数の作品に出演。
近年の主な代表作として、WOWOW「ポイズンドーター・ホーリーマザー」(19)、ABC「パーフェクトクライム 」(19)、Netflix『夫のちんぽがはいらない』(19)、CX「世にも奇妙な物語」(19)、映画『HiGH&LOW THE WORST』(19)などがある。
http://www.itoh-c.com/group/profile/prof_s/ochiai/index.html
ヘアメイク:田坂たかえ