OKWAVE Vol.901は映画『太陽の家』(2020年1月17日公開)に出演の山口まゆさんへのインタビューをお送りします。
Q 物語の舞台となる川崎家は今どきめずらしい熱さですね。
A山口まゆあんなに熱い家庭があるのかと思うくらいいつもエネルギッシュです。そんな家庭に魅力を感じましたし、良くも悪くも一人の人間の力がこんなにも他の人を巻き込めるのかとも思いました。人はそれぞれ価値観も思っていることも違うし、いつも共感できるとも限りませんが、それでもお父さんに柑奈たちがついていけるのはすごく素敵なことだと思います。私は感化されやすいので私だけかもしれませんが(笑)、撮影中も川崎家で生活しているような感覚で毎日が本当に清々しかったです。撮影は身を削るものなので体は疲れていますが、1日の撮影が終わった後は「明日も頑張ろう」という気持ちを毎日感じさせてもらえる現場でした。
Q 演じられた柑奈役についてお聞かせください。
A山口まゆスタッフ・キャストみんなでお祓いをして、そのまま川崎家を中心に読み合わせをしたんです。長渕剛さん、飯島直子さんとはその時が初対面だったのですが、長渕さん演じるお父さんにセリフですが「バカ!!」と言わなくてはいけないところがあって、ずっと緊張していました。けれども長渕さんは私に「俺の娘か!」と優しく声をかけてきてくださったので、「はい、がんばります!」と応えることができて、とても安心できました。飯島さんもとても優しくて、すんなりと読み合わせもできました。監督からも「みんなで明るい家庭を作っていきましょう」という話があってすっかり温まったので、後日、撮影が始まった時にはいい関係性ができていて、とても演じやすかったです。柑奈の役柄としてはお父さんにぶつかっていくのですが、何より、長渕さんが常に100%でぶつかってくださるので、私はそれ以上でとにかく負けないように、という気持ちでした。
Q 柑奈はお父さんと衝突もしますが、年頃の女の子にしてはお父さんのことが大好きですよね。
A山口まゆそうですね。柑奈は怒っていても愛情があふれてしまっています。素直になれないもどかしさも柑奈らしいなと思いました。長渕さん、飯島さんと一緒に現場にいると、とても温かい現場なので、自然とそういう感情があふれてきましたし、柑奈が引っ叩かれるシーンは柑奈としてだけではなく私も悔しくなって涙が止まらなくなってしまいました。とにかく毎回熱くて、本当に清々しい現場でした。
Q 瑛太さん演じる高史との関係性も面白いですね。
A山口まゆ柑奈は高史をお兄ちゃんと慕っています。監督と相談しながら関係性の部分を作っていきましたが、柑奈の中での“作り込んだ自分”というものがお父さん、お母さんの前で出ますが、お兄ちゃんの前では本当の感情が出てしまうギャップが見えるといいなと思いました。お兄ちゃんの前で素直に泣いてしまう、というようなシーンもあります。柑奈はお父さんには素直になれない複雑な感情を持っていますが、お兄ちゃんの前では柑奈の違った一面が出せると思いながら演じました。
Q 柑奈はお父さんが龍生と触れ合っていくことに複雑な感情を抱いています。
A山口まゆその人を思うからこそですよね。それを“嫉妬”だと素直に認めてしまうのも恥ずかしい、と柑奈は思っています。その感情は大小違いますが川崎家のみんながお父さんに対してそれぞれに感じていることです。でも第三者から見るととても素敵な嫉妬のあり方だと思います。
Q 川崎家の食卓も印象的です。
A山口まゆ山盛りの唐揚げはとても美味しかったです(笑)。川崎家の食卓には独自の「いただきます」の挨拶がありますが、脚本にはなかったんです。長渕さんが出されたアイディアで、これを柑奈が言ったらいい、ということで私が言いましたが、いかにも川崎家のルールのようでリアルでいいなと思いました。
Q 柑奈が龍生に謝りに行って、その後にお父さんとも仲直りするシーンが印象的です。
A山口まゆそのシーンでお父さんに「そんなのわかんないよ」と言うセリフがとても気に入っています。素直になっても格好悪いし、謝らないとならない葛藤もあってのセリフなので、いろんな気持ちが入っていると思います。その前のお母さんの「あなたが決めなさい」という態度も好きです。私自身の母とも似ているところがあるので、その気持ちがよくわかりました。龍生と絵を描いてそこにお父さんが入ってきて、最後には一緒に遊べている柑奈はかわいいなとも思いました(笑)。
Q 広末涼子さんとの共演はいかがでしたか。
A山口まゆ同じ事務所の先輩で、関わるシーンが最後しかなかったのは残念でしたが、共演できたことはとても嬉しかったです。広末さん演じる芽衣さんがマンションの部屋でお父さんに怒鳴るシーンがとても好きです。この『太陽の家』だからこそ、普段なら見せないような感情を爆発させる芝居が自然と出てくるのだと思います。
Q 本作の出演を通じて新しい発見などはありましたか。
A山口まゆいい意味でとても変わっている現場でした。何より熱い現場でしたし、いつも撮影が始まる前は自分がそこにいる意味を考えてしまうことが多いのですが、この作品ではそんな不安はありませんでした。長渕さんが居場所を用意してくださっている感じもありましたし、一人一人をとても尊重されていて、それがギュッと集まった作品になっていると思います。いい経験をさせていただいた気持ちと、ここにいていいんだという気持ちでいられました。
Q 山口まゆさんからOKWAVEユーザーにメッセージ!
A山口まゆこの映画は誰かしらに感情移入できると思います。キャラクターは細部まで描かれていますし、分かりやすいセリフばかりではないところも、リアルで面白いと思います。家族で観ていただけるといいなと思います。普段家族にも見せない感情がむき出しになっていますし、何かが掻き立てられると思います。汗をかいてしまうくらい熱くなれますので、清々しい気持ちで劇場が出られる映画だと思います。
Q山口まゆさんからOKWAVEユーザーに質問!
山口まゆ2020年、皆さんが新しく始めたいことはありますか。
私は音楽がすごく好きなので、ビートルズやエルトン・ジョンの当時のレコードを集めて聴きたいのと、小学校、中学校でやっていたトランペットをまたやりたいなと思っています。
■Information
『太陽の家』
神技的な腕を持つ大工の棟梁・川崎信吾。普段は強面風な川崎は、やんちゃで人情味の厚い男。そんな川崎が現場で木と向き合えば、職人気質なオーラを放つ。しっかり者の女房・美沙希と年頃の娘・柑奈と共に幸せに暮らす川崎だが、そこは男!好みの女性には少々弱い。いつものように弟子の入江たちと現場で仕事に励んでいるところに川崎が無視できない保険会社の営業ウーマンが通りかかる。彼女の名前は池田芽衣。独身だと思っていた芽衣には、龍生という名の息子が一人。シングルマザーだった。父親を知らずに育った少年・龍生が気になる川崎。俺が男にしてやる!とばかりに、川崎の血が騒ぐ。半ば強引な川崎になかなか懐かない龍生だったが、徐々に男同士の触れ合いができるまで心を開いていく。そんな折、川崎はこの親子に家を作ろうと思い立つのだが、そんな父親の様子にどうも納得がいかない、娘と妻と信吾の一番弟子の高史。しかし周りの不穏な空気も気にせず、家づくりに没頭する川崎の前に、突如龍生の父と名乗る男が現れて・・・。
長渕剛
飯島直子 山口まゆ 潤浩/瑛太 広末涼子
監督:権野元
配給:REGENTS
(C)2019映画『太陽の家』製作委員会
■Profile
山口まゆ
2000年11月20日生まれ、東京都出身。
2014年、ドラマ「昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜」で連続ドラマデビュー。
主な出演作は、映画『相棒-劇場版Ⅳ-』(17)、ドラマ「明日の約束」(17)、NHK終戦ドラマ「マンゴーの樹の下で〜ルソン島、戦火の約束」(19)など。
https://www.instagram.com/yamayu_official/
ヘアメイク:尾曲いずみ
スタイリスト:道端亜未