OKWAVE Stars Vol.906は映画『前田建設ファンタジー営業部』(2020年1月31日公開)に出演の岸井ゆきのさんへのインタビューをお送りします。
Q 実在のWebコンテンツの映画化と聞いてどう感じましたか。
A岸井ゆきの最初にお話をいただいた時に、「マジンガーZの格納庫の設計と見積もりはするけど実際には作らない」と聞いて、どういうことなんだろう、と。でも上田誠さんの脚本、キャストの皆さんの名前をみて、ぜひ出演したいと思いました。
あとこの映画が実話だということにびっくりしたんです。会社でこういう活動ができてしまう前田建設さんはすごいし、豊かで、素晴らしいなって思いました。
Q 台本の印象はいかがでしたか。
A岸井ゆきの「マジンガーZの格納庫を作ってみようよ」という発想もそうですし、映画もそこから始まるので新しさと衝撃が大きかったです。そこからいろいろな出来事が起きて、様々な人が協力をしてくれるんですけど、その人たちもまたみんな熱いんです。いろんな持ち場の人たちが普段の場所から離れて、協力して想像力を持って取り組んだ、というところがすごく面白いなと思いました。
Q エモト役についてはどのように演じようとしましたか。
A岸井ゆきの台本を読んでいる時は、仕事は楽しいけれど何がやりがいか聞かれても答えられないような、目の前のことに一生懸命な子という印象でした。いろいろ考えて現場に行ったんですけど、皆さんいい意味でめちゃくちゃで(笑)。台本にないことを言ったり、ワンシーン撮る時にはワンカットごとに同じ動きになるはずが全然気にされない人が多くて(笑)監督も「違うことをやっていいですよ」と。そこで自分で考えてきたことよりも、現場で生まれた空気感とスピード感に巻き込まれてしまおうと決めました。なので、自分で考えたことよりも他のみんなとのやり取りでエモトはこういう人物だったんだと積み上がっていく感じでした。
たとえば、土質担当のヤマダさんとトンネルを見学に行くシーンでは、台本を読んだだけではエモトはそこまで興味を持っていない感じがしましたが、実際にトンネルに入って大きな機材を見ると、私自身も心が踊ってしまったので、監督と相談して、エモトもトンネルを見たところから気持ちが入っていってもいいことになりました。そんな風に監督は現場で感じたことを全部肯定してくださったんです。でも、演じている時はこれで大丈夫なのかと心配になることもありましたが…その場の空気感で作られていって、準備したものは無駄になる(笑)、とても新しい経験でした。
Q ファンタジー営業部(広報グループ)のメンバーとの共演の印象はいかがでしたか。
A岸井ゆきの本番でみんな、台本にはないけれどそれぞれが言いそうなことをアドリブで入れてきたり、決してふざけているわけではないけれど、ずっと笑いそうになるやりとりを続けていました。台本上のシーンが終わってもカットがかからずそのまま続けるようなこともあって、皆さん全く型にはまってなかったんです。小木さんをはじめ、思いついた新しい言葉をどんどん入れてくるので、それに応じて台本から膨れ上がったものが使われています。私のただただ笑ってしまっている顔が使われていたり、真宙くんが思わず浮かべた薄笑いもそのまま使われていますので、ぜひ確認してみてください。
Q 土質担当のヤマダさんとのシーンはいかがでしたか。
A岸井ゆきのヤマダさんとエモトの二人のシーンは、ファンタジー営業部のシーンが風の子のように暴風を撒き散らしていく感じだったので、かえって安心できるパートでした。ヤマダさん役の町田啓太さんとも「違う現場みたいだね」という話をしました。ヤマダさんの長い説明台詞、すごいですよ!
Q 本作出演を経て、新しい気づきなどはありましたか。
A岸井ゆきの私は考え過ぎることが多くて、本番も台本通りに演じようと思ってしまいがちなんですが、この映画の現場では、新しいアイディアがあれば試してみてもいいし、それこそ面白ければ時には笑ってしまうことだってあっていい、そしてそれがそのまま映画になることもあるということを体感することができました。あまりに笑いすぎてこれで大丈夫なのか心配していたら、小木さんは「大丈夫だよ」と笑っていましたが、監督は「面白いものになりますけど、撮ったもの以上にはなりませんからね」と仰っていたんです。でも完成した映画を観ると撮ったもの以上になっていて、これこそ映画のマジックだと思いました。
Q 岸井ゆきのさんからOKWAVEユーザーにメッセージ!
A岸井ゆきのこの映画を観ると、自然と前向きになれると思います。私がこの映画に参加して思ったように、面白いと思ったら突き進んでもいいし、バカみたいなことでも真摯に向き合っていたら仲間がついてきてくれるんだとすごくよく分かる映画です。なんていったって、実話ですから(笑)。ぜひ映画館に足を運んで、このマジンガーZの格納庫づくりを一緒に体験していただけたらと思います。
Q岸井ゆきのさんからOKWAVEユーザーに質問!
岸井ゆきの漠然とした質問になってしまうのですが
「アフリカ人は3、4キロ先のものが見える。だから僕は何キロも先の好きな人が家に帰ってくるのが分かってもいいじゃないか」というような主人公の言葉がある日本の小説を以前に読んだのですが、その小説が何だったかを忘れてしまいました。ずっと山下澄人さんの「緑のさる」だったと思っていたら記憶違いだったようで、ぜひどなたか知っていたら教えてください。もしかしたら“見える”ではなく“聞こえる”だったかもしれません。
■Information
『前田建設ファンタジー営業部』
2020年1月31日(金)公開
ことの始まりは、とある会議室。高度成長期のころ、ダム、トンネル、発電所など、数々の大プロジェクトに携わってきた前田建設工業株式会社の一室で、上司アサガワが言い放った一言から始まった。「うちの技術で、マジンガーの格納庫を作ろう!」それまで何気なく仕事をしてきた若手サラリーマンのドイと部員達が、上司のムチャぶりに巻き込まれ「マジンガーZの地下格納庫」の建設に挑む物語だ。ただし、実物としては作らない。彼らに課されたミッションは、実物を作るのと全く同じように取り組むこと。そう、これは心の中に建設するという、日本の技術の底力を駆使したとんでもない無謀なプロジェクトだった!しかし、あまりに突拍子もないプロジェクトのため、なかなか社内の協力を得られない。加えて、現実世界の常識では到底理解できないアニメ世界の途方も無い設定や、あいまいで辻褄の合わない設定に翻弄されるばかり…。果たしてファンタジー営業部は、無事に「地下格納庫」の設計図と見積もり書を完成させ、プロジェクトを成功させることができるのか。
高杉真宙 上地雄輔 岸井ゆきの 本多力/ 町田啓太 六角精児/ 小木博明(おぎやはぎ)
監督:英勉
脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)
原作:前田建設工業株式会社『前田建設ファンタジー営業部1「マジンガーZ」地下格納庫編』(幻冬舎文庫)、永井豪『マジンガーZ』
配給:バンダイナムコアーツ/東京テアトル
©前田建設/Team F ©ダイナミック企画・東映アニメーション
■Profile
岸井ゆきの
1992年2月11日生まれ、神奈川県出身。
2009年デビュー後、映画、舞台、TVドラマなど幅広く活動。2018年、NHK連続テレビ小説『まんぷく』で、主人公・福子の姪タカ役を演じ話題に。2019年、映画『愛がなんだ』で第11回TAMA映画賞新進女優賞、並びに第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。
http://www.humanite.co.jp/actor.html?id=10
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