OKWAVE Stars Vol.930は映画『あなたにふさわしい』(2020年6月12日公開)主演の山本真由美さんへのインタビューをお送りします。
Q 作品の印象をお聞かせください。
A山本真由美台本を読んだ時は、私が演じる美希が精神的に辛くて動けなくなってしまっているので大丈夫かなと思いました。人と人との関係性に興味がありましたので、4人の関係性にも注目をしました。
Q では美希役をどのように作り上げたのでしょう。
A山本真由美美希が持つ、埋まらない穴のようなものを保ちながら他の人と会話をすることを意識しました。人はずっと一緒ではないですよね。年をとって変わることもあるし、影響されることもあります。変わっていく生き物だから、この映画で描かれている5日間の変化はこうでした、ということだと思います。そういう曖昧さを感じますし、完璧なものはないので、あまり決めつけすぎずにいるようにしました。
Q 別荘に2組の夫婦が滞在して起こる5日間が描かれますが、撮影の進め方はいかがでしたか。
A山本真由美実際にあの別荘にキャスト、スタッフが滞在して撮影していました。寝て起きたらそこが現場なので、とても集中していられました。美希の環境はとても閉塞感のあるものでしたが、ロケーションは都会から離れていますし、鳥の声が聞こえる、とてもいい環境でした。撮影では長回しが多かったのですが、それをあまり意識しなかったです。カメラマンらとだいたいの動きを決めて演じるので、カメラの位置はわかっていますが、本番が始まると不思議なもので、撮られていることを忘れられるくらい集中して取り組むことができました。
Q 美希と夫の由則の関係性はどう感じましたか。
A山本真由美由則さんは決して悪い人ではないですが、鈍感だったり、優しいのかもしれないけど無関心なのかもしれませんし、それが知らず知らずに人を傷つけもしてしまいます。もしかするとそれは美希にもあるのかもしれないので、本当はお互い様かもしれません。人に求めることが強くなりすぎてしまうと、バランスも悪くなってしまうので、由則さんに対するもどかしさはずっとありました。北風と太陽ではないですけど、相手に伝わらなかったり、どうすればわかってもらえるのだろう、という美希の屈折した行動にも共感できました。相手のことをおざなりにしているとこうなるんだろうなと思いました。
Q 撮影を通じて印象的だったことはありますか。
A山本真由美シーンで言うと、普段はバリバリ働いているキャリアウーマンの多香子が一人で車で涙を流すところは感じるものがありました。美希は弱いけれど甘えることもできますが、多香子は対照的な強さがありながら、そうはいってもきちんと気持ちを表現できていないところがあり、結局みんな無い物ねだりでちぐはぐなんだなと感じました。
Q 4人のシーンと比べると、野鳥カメラマンの孝志との関係性は少し異質ですね。
A山本真由美ミステリアスな存在ですよね。どこの誰かもわからない怖さもありますけど、それを超えて生まれる美希と孝志の危ないバランスの関係性が面白いのかなと思いました。ただ、それは外から見て思うことで、渦中にいると危ういラインが見えなかったりもしますよね。台本を読んだ時はその展開にびっくりしましたが、人生は説明できることばかりではないので、何が起こるのかわからない面白さがあるのではと思います。
Q 由則と多香子はブランドネームを開発していますが、“ふさわしい名前”について思うところはありますか。
A山本真由美時々「この気持ちはなんて表現したらいいんだろう」と思うことがあります。日本語だと種類が結構あるような表現が英語でいうと全部同じ言葉に集約されてびっくりすることも。言葉が与えられると、急に輪郭を帯びたりイメージが湧いたりするのは面白い効果ですよね。本当にしっくりくるそれを表すことのできる新しい言葉があるのかな?とそんなことを考えることはあります。
Q 本作を通じて新しい発見はありましたか。
A山本真由美誰が良い、悪いではなく、それぞれに言い分はあるし、人は一人では生きていけないので、誰かとの関わりでどれだけ許容したり相手のことを大事にできるかなんだと思いました。それと、あることにダメだと言われているから自分もダメだと思うのではなく、本当は自分がどう感じるのかを考えるきっかけにできればいいなと思いました。
Q 山本真由美さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!
A山本真由美映画館が再開する中で、あらためて映画館で観るという体験は映画の醍醐味のひとつだと思いますし、映画はお客さんに観ていただいて完成するところもあるので、映画館の大きなスクリーンでみんなで観てもらえるとうれしいです。ぜひ劇場でご覧ください。
Q山本真由美さんからOKWAVEユーザーに質問!
山本真由美この映画の中で、美希は由則に三行半を書いたものの由則本人には渡さず、充に委ねてしまいました。
皆さんへの質問は、「渡せなかった手紙」の内容をぜひ聞かせていただきたいです。
回答する
■Information
『あなたにふさわしい』
2020年6月12日(金)よりアップリンク吉祥寺ほかにてロードショー
専業主婦の飯塚美希は、ブランドネーム開発をしている夫・由則に対して不満を持っている。ある日、由則の仕事のパートナー・林多香子とその夫・充とともに、別荘を借りて2組の夫婦で5日間の休暇を過ごすことになった。しかし、現地に着くやいなや、由則と多香子は急遽発生した仕事上のトラブルを解決するため別行動に。美希と充は不満かと思いきや、実は二人は隠れて浮気していたのだった。その夜、由則が話す仕事の思想を聞いた美希は、由則との間にある溝が埋まらないことに気づいてしまい…。森の中で出会った訳あり野鳥カメラマンを巻き込み、美希はどのような決断を下すのか?
出演:山本真由美 橋本一郎 島侑子 中村有
鶏冠井孝介 紺野ふくた
監督:宝隼也 脚本:高橋知由
配給・宣伝:アルミード
公式サイト:www.anafusa.com
Twitter:@anafusa_movie
facebook:https://www.facebook.com/anafusamovie
(c) Shunya Takara
■Profile
山本真由美
1984年5月11日生まれ、兵庫県出身。
舞台、映画、CMに数多く出演。落語家(桂喬香)としても活動している。第 9 回田辺・弁慶映画祭にて主演女優賞受賞。『サーチン・フォー・マイ・フューチャ ー』(15/監督:松本卓也)、『テイク 8』(15/監督:上田慎一郎)、『Every Day』(16/監督:手塚悟)、『ナラタージュ』(17/監督:行定勲) 、『SHELLandJOINT』(20/監督:平林勇)他、 KTV「後妻業」や EX「白い巨塔」など数多くの作品に出演。話題作『カメラを止めるな!』では主題歌を歌唱。最近ではラジオパーソナリティとしても活動している。
https://mayumiyamamoto.jp/
https://www.instagram.com/mayumi_yamamoto.official/