OKWAVE Stars Vol.946は映画『リスタートはただいまのあとで』(2020年9月4日公開)ダブル主演を務める竜星涼さんへのインタビューをお送りします。
Q 本作のオファーをどう受け止めましたか。
A竜星涼原作がBLコミックとのことでしたが、「同性」という枠をとってしまえば純愛ラブストリーです。人が誰しも持っている悩みや、それをお互いに支え合って一緒に生きていく話なので、BL作品でよく題材になる同性愛にまつわる葛藤のようなものはこの物語の終わった先にあるものです。彼らが友だちになって、恋に発展していくまでを描いている原作もこの映画も魅力的だと思いました。たまたま好きになった相手が同性だったというだけで、恋愛の本来の在り方が描かれているので、この作品の二人のような関係が普通のことになれば、より素敵な世の中になるのではないかなと思いました。
Q 大和役にはどう向き合いましたか。
A竜星涼深入りしてほしくない部分や悩みを持つ難しい役どころですが、それ自体は誰しもが持っていると思います。彼にとっては親がいないという、傍から見たら大変なことですが、彼にとってはそれが当たり前だし、大人になる上で向き合わなければならないことです。大和がどういう風に過ごしてきたかという、この作品が始まる前の彼の物語を作っていくことが大事だと思って、イマジネーションを働かせました。
Q 大和と光臣の関係性の変化をどう演じていきましたか。
A竜星涼大和の踏み込んでほしくない弱い部分は、心のどこかでは共感してもらいたいものだと僕は思っています。でも、それは信頼している人にしか言えないと思うので、本気で向かってきてくれる光臣という存在が、彼の人生の変化のきっかけになったのかなと思います。友だちから恋愛に変わっていくことと、光臣と助け合うという部分が、大和が前に進んでいくことにつながるので、それを人間ドラマとして演じられればいいなと思いました。
Q 光臣役の古川雄輝さんとの共演はいかがでしたか。
A竜星涼古川さんは知的でクールな印象を持っていましたが、監督とよく話し合ったりしている姿を見て、情熱のある方だと思いました。
現場でのお芝居は、相手の出方を見ながら作っていくものでもあるので、事前に古川さんと芝居について話し合ったりはしていないです。最初は光臣からすると大和はかきまわしていくような存在なので、僕が投げかけたものへの古川さんからの返しが僕のイメージしたことと違っていれば、次はどうすれば合ってくるのかを考えながら演じたので、それこそ最初はちぐはぐだった大和と光臣の関係性のようで良かったと思っています。
Q 信州でのロケについてお聞かせください。
A竜星涼戸倉上山田温泉という温泉街で撮影させていただきました。きれいな田舎町が舞台なので、僕らはそういう視覚から入ってくるものや田舎の空気のようなものに影響されますし、大きな助けにもなります。大和が地元の人間になるためには、地元の方たちと一緒にご飯を食べることが大事だと思って、地元のお店に何回か足を運んで、お店の大将のような方をはじめ皆さんと仲良くなって一緒に食べたり飲んだりしていました。皆さんの温かさを感じて、帰る頃には「もう少しいたいな」と思えるくらい情が深くなりました。
Q 本作を通じて新しい発見はありましたか。
A竜星涼この作品を通して、人を好きになることとはどういうことなのかを改めて見直すきっかけになりました。本作はBL作品という括りにはなりますが、今までのBLの括りとはまた違った作品ができたと思います。この作品は恋愛の始まりを丁寧に描いているし、映画が終わったその時が彼らのスタート、というこの作品のメッセージ性が僕は好きです。
Q 竜星涼さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!
A竜星涼この映画は純粋なラブストーリーだという感覚で観ていただけたらいいなと思います。人を好きになる、ということはどういうことなのかという初心に戻って観ていただければと思います。人と人が支え合って前に進んでいくことの大切さが詰まっているので、それを感じ取っていただけたら嬉しいです。そして、自分が向き合わなければならないものを後押しして前に進む良いきっかけにしてもらえたらと思います。
■Information
『リスタートはただいまのあとで』
職場で上司に人間性を否定され、会社を辞めて10年ぶりに田舎に戻った光臣は、近所で農園を営んでいる熊井のじいちゃんの養子・大和と出会う。
大和のことを「馴れ馴れしくてウザい奴」と思っていた光臣だが、父親に実家の家具店を継ぐ事を拒絶され、農園の手伝いをはじめると、大和と過ごす時間が増えていく。
ふさぎこんでいる光臣を励まし、心の痛みに寄り添う優しい大和。次第に、自分の弱さも受け入れてくれる大切な存在に変わっていく。
ある夜、酔いつぶれた二人だったが、目が覚めた光臣は寝ている大和に思わずキスをしてしまい・・・抱いている感情にハッとする。
大和の高校の同級生で親友の上田から、「アイツには秘密がある」と耳打ちされたことを思い出した光臣の前に、親しげに大和と話す年上の女性が現れて・・・。
光臣は大和へ想いを伝えることはできるのか?
そして、親との確執を乗り越えて、自分の夢と向き合う事ができるのか?
古川雄輝 竜星涼
村川絵梨 佐野岳 / 中島ひろ子 螢雪次朗 甲本雅裕
監督:井上竜太
原作:ココミ著書「リスタートはただいまのあとで」(プランタン出版刊)
配給:キャンター
©2020映画「リスタートはただいまのあとで」製作委員会
■Profile
竜星涼
1993年3月24日生まれ、東京都出身。
2010年、ドラマ「素直になれなくて」(CX系)でデビュー。2013年、スーパー戦隊シリーズ「獣電戦隊キョウリュウジャー」(EX系)で初主演に抜擢され人気を博す。2016年、「Yohji Yamamoto HOMME2016-2017AW Paris Collection」にてパリ・コレクションデビュー。『orange』(2015/橋本光二郎監督)、『22年目の告白-私が殺人犯です-』(2017/入江悠監督)、『先生!、、、好きになってもいいですか?』(2017/三木孝浩監督)など話題の映画に多数出演し、2019年にはディズニーアニメーション映画『トイ・ストーリー4』でフォーキーの声を担当。近年の主なドラマ出演作には「ひよっこ」(2017/NHK)、「アンナチュラル」(2018/TBS系)、「昭和元禄落語心中」(2018/NHK)、「同期のサクラ」(2019/NTV系)、「テセウスの船」(2020/TBS系)など。最近では三谷幸喜作・演出の舞台『大地(Social Distancing Version)』への出演、主演映画『ぐらんぶる』(英勉監督)が公開。俳優・モデル・声優など多岐にわたり活躍している。
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ヘアメイク: TAKAI
スタイリスト:山本隆司(YAMAMOTO TAKASHI)