Vol.951 俳優 清水尋也(映画『甘いお酒でうがい』について)

俳優 清水尋也(映画『甘いお酒でうがい』)

OKWAVE Stars Vol.951は映画『甘いお酒でうがい』(2020年9月25日公開)に出演の清水尋也さんへのインタビューをお送りします。

Q 本作にどんな印象を持ちましたか。

A清水尋也すごく好きな作風ですね。最近の映画は起承転結が分かりやすかったり、対抗する相手に立ち向かうといった分かりやすい作品が多いですが、この映画は一人の女性の日常を辿っていくだけなのに、出てくる人たちの魅力が存分ににじみ出ています。寂しさや嬉しさ、もどかしさのような感情が繊細に描かれているストーリーはあまりないと思います。身を乗り出して観る映画というよりは、ゆったりとソファに腰掛けて穏やかな時間の中で観てほしいなと思いました。

Q 松雪泰子さん演じる川嶋佳子の目線でストーリーは進展していきますが、演じた岡本くん役についてはいかがでしたか。

A映画『甘いお酒でうがい』清水尋也まず、この映画に出てくる人物に悪い人はいないです。佳子さんは落ち着いていて、ユーモアがにじみ出る面白いところもあります。若林ちゃんは100%いい人です。そして岡本くんも落ち着きがあって、佳子さんの寂しさを理解して受け止められるし、恋愛面での男としての立場も理解して全うしているので、気持ちのいい人だと思いました。
この映画は一人の女性の主観で進んでいく、他の作品にはあまり見られない特徴があったので、岡本くんとしては出しゃばらず、佳子さんの人生に少しでも彩りを添えられるような存在として演じられればという思いがありました。最初に役作りで決め込むよりも、現場に出て、佳子さんがどんなテンションで、どんな空気感なのかを見て感じないと、岡本くんとしての存在の仕方が決まらないので、松雪さんとのお芝居の中で作っていった感があります。

Q では松雪泰子さんとの共演はいかがでしたか。

A清水尋也松雪さんは寡黙な印象がありましたが、気さくに話しかけてくださるしユーモアもあって、佳子さんと通じるところがあるのかなと思いました。お話させていただいて楽しかったです。全く似ているわけではないですけれど、印象は似ているなと思いました。

Q 撮影の現場の様子はどうだったのでしょう。

A映画『甘いお酒でうがい』清水尋也すごく良い空気感の現場でしたね。松雪さんは僕からすれば大先輩なので胸を借りる気持ちで、楽しく共演させていただきました。黒木華さんも面白い方なので、撮影の合間にいろいろお話させていただきました。作品の空気感と同じようにまったりとした穏やかな現場でしたが、もちろんやる時はやるし、映画が好きで良いものを作ろうという意識をスタッフ皆さんから感じられる、同じ方向を向いて一つのことを達成しようとしている気持ちの良い現場でした。

Q 印象的な撮影エピソードをお聞かせください。

A映画『甘いお酒でうがい』清水尋也佳子さんと岡本くんが踏切越しに会って、佳子さんが腕を組んでくるシーンがすごく好きです。佳子さんのかわいらしいところも出ていて、ちょっとした場面なんですが、すごく素敵だなと印象に残っています。


Q 空気感や雰囲気が作用している作品だとも感じましたが、演じていて映像の完成形はイメージできるものでしょうか。

A清水尋也僕の場合は演じている時はそれほど考えてはいないです。シーンのつながりは監督が考えてOKを出してくださっているので、どんな仕上がりになるのかを信頼していましたし、演じることに集中していました。

Q では完成した映画をご覧になってどう感じましたか。

A清水尋也普段なら自分が出演している映画は演じている側の目線で観てしまいますが、今回は岡本くんが中盤からの登場ということもありますが、最初から一視聴者として観ていたので、岡本くんのことも客観的に観て楽しめました。最初に台本を読んだ時に思ったとおり、穏やかでいい時間が流れている、すごく素敵な映画だと思いました。

Q 佳子さんが日常的に自宅でお酒をたしなむシーンが特徴的ですが、清水さんご自身はいかがでしょう。

A清水尋也僕は家では一切飲まないので家の中にお酒のストックもないです。20歳になった時に友だちがお酒でお祝いをしてくれましたが、その時に自分はそんなにお酒が強くないと思いました。食事に合わせて1杯飲むことがあるくらいで、今日は飲むぞ!みたいなことはほとんどないですね。

Q この映画に携わって新しい発見などはありましたか。

A清水尋也俳優としては毎回違う役を演じるので新鮮な感覚はいつもありますが、今回はとくに松雪さんとの共演が大きかったです。大先輩の女優さんのお芝居を間近で見ることができましたし、映画をご覧いただくと分かると思いますが、今回のいい意味での起伏を抑えたお芝居が、作り物感がなくて勉強になりました。テンションとしては落ち着いているのに喜怒哀楽やもどかしさが直に伝わってくるのが素晴らしいなと思いました。映画の空気感もそういうものなので、僕も演じながらそれに挑戦していましたし、演じる上での一つの糧になりました。

Q 清水尋也さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

A映画『甘いお酒でうがい』清水尋也40代の独身女性で派遣社員の川嶋佳子さんという主人公なので同世代や似たような立場の方はもちろんですが、僕と同世代だったり、もっと若い方にも楽しんでいただける映画になっています。佳子さんの人物像には年齢や性別関係なくすべての人に通じるところがあると思います。僕は佳子さんの自転車が撤去されてしまうエピソードがすごく好きで、その時の佳子さんの感情を見て自分も同じように感じていたことに気づきました。そんな普段意識していない感情が描かれているのがこの映画のいいところです。日常のふとしたところにある寂しさや幸せが描かれていて誰の心にも響くと思いますので、いろんな世代の方に観ていただけたら嬉しいです。

Q清水尋也さんからOKWAVEユーザーに質問!

清水尋也僕は実家暮らしなのですが、いずれ一人暮らしもしたいなと思っています。でも料理が苦手なので、一人暮らしを始める前に料理ができるようになっていたいなと思います。そんな料理初心者でも簡単に作れる美味しい料理のレシピを教えてほしいです。

回答する


■Information

『甘いお酒でうがい』

映画『甘いお酒でうがい』2020年9月25日(金)ロードショー

ベテラン派遣社員として働く40代独身OLの川嶋佳子は、毎日日記をつけていた。
撤去された自転車との再会を喜んだり、変化を追い求めて逆方向の電車に乗ったり、
踏切の向こう側に思いを馳せたり、亡き母の面影を追い求めたり···。
そんな佳子の一番の幸せは会社の同僚である若林ちゃんと過ごす時間。
そんな佳子の日々に、ある変化が訪れる。
それは、ふた回り年下の岡本くんとの恋の始まりだった···

監督:大九明子
脚本:じろう(シソンヌ)
原作:川嶋佳子(シソンヌじろう)『「甘いお酒でうがい」』(KADOKAWA刊)
出演:松雪泰子 黒木華 清水尋也 ほか
製作・配給:吉本興業

公式サイト:amasake-ugai.official-movie.com
公式ツイッター:@AmaiOsakeDeUgai

Ⓒ 2019吉本興業


■Profile

清水尋也

俳優 清水尋也(映画『甘いお酒でうがい』)1999年6月9日生まれ、東京都出身。
映画『渇き。』(中島哲也監督)、『ソロモンの偽証 前編・事件/後編・裁判』(成島出監督)、『ストレイヤーズ・クロニクル』(瀬々敬久監督)、『ちはやふる 上の句・下の句・結び』((小泉徳宏監督)、など多数の話題作に出演。近作に映画『貞子』(中田秀夫監督)、『パラレルワールド・ラブストーリー』(森義隆監督)、『ホットギミック ガールミーツボーイ』(山戸結希監督)、ドラマ「サギデカ」(NHK)に出演。
現在『青くて痛くて脆い』(狩山俊輔監督)、『妖怪人間ベラ』(英勉監督)が全国公開中。待機作に『東京リベンジャーズ』(英勉監督/2021年全国公開予定)等がある。
1st写真集「FLOATING」が発売中。

http://www.office-saku.com/artists/new_actors/hiroya_shimizu.html
https://lineblog.me/shimizuhiroya/