Vol.958 お笑い芸人 まんじゅう大帝国(映画『実りゆく』について)

まんじゅう大帝国(竹内一希、田中永真)映画『実りゆく』

OKWAVE Stars Vol.958は映画『実りゆく』(公開中)に出演のお笑い芸人・まんじゅう大帝国の竹内一希さん(主演)と田中永真さん(共演)へのインタビューをお送りします。

Q マネージャーさんが監督として「MI-CAN 未完成映画予告編映画大賞」に応募されて、そこから映画化に至ったとのことですね。

A田中永真八木マネージャーから「映像を撮ってコンテストに出したいので出てほしいのですけど」と言われて気軽に引き受けました。八木マネージャーから映画監督になるのが夢だったという話を聞いて、それなら少しでもお手伝いできたらいいなという気持ちでした。

竹内一希最初は重くは受け止めてなかったですね。この賞に出すという話は結構映像を撮ってからでした。

田中永真優勝したら実際に映画が撮ることができるとは聞いていましたが、優勝するとは思っていませんでしたね(笑)。

竹内一希ずっと映画監督を目指している方が俳優と一緒に作る作品に、僕らが出ている作品で勝てるとは思っていませんでした。周りの芸人みんなで茶化していましたから。それがグランプリではないとはいえ、賞を獲ってしまったから、みんな「えー!」って。

田中永真「これは誰がすごいんだ?」と事務所が大混乱でした(笑)。

竹内一希褒める前に混乱が起きていましたね。

Q では実際に映画化になると聞いた時は?

A竹内一希それが最初は言ってくれなかったんです。「映画化が決まりましたので、おふたりに出ていただきます」とちゃんと言ってくれれば良かったんですけど、ふんわりとスケジュールを押さえられる、というところからでした。

田中永真気づいたらマネージャーの特権のようにスケジュールをガッツリ押さえられていました。「ここからここまでは映画を撮るから」と言われて「これはまだ続行なんですか」というやり取りをしていました。とまどいの方が大きかったです。
そう思っているうちに共演者の俳優さんらが決まって、思っているよりも大きな話だぞと。台本の読み合わせや衣装合わせがあって、周りにはスタッフさんがたくさんいて、僕らで本当に大丈夫なのかという心配の方が大きくなってきました。

竹内一希とまどいからの心配で、心の準備どころではなかったです。

Q では台本を渡されたり、いよいよクランクイン、という時にはいかがだったでしょう。

A田中永真台本を渡された時も、台本の良し悪しは全く分からなかったので、自分たちのセリフを見て、これをやるのか、という気持ちの方がまだ強かったです。

竹内一希芸人という気持ちのままだったので、芸人らしいコミカルなことをやるのかなと思っていました。ところがこの『実りゆく』は人間模様が描かれているので、ちゃんとしたお芝居をしないといけないぞと思いました。

Q 役柄についてどう受け止めましたか。

Aまんじゅう大帝国(竹内一希、田中永真)映画『実りゆく』田中永真エーマはすごく難しかったです。全然自分たちに寄せて書いてもらっていませんし、ストーリー上、自分たちに寄せると面白くなくなっちゃうだろうなと思いました。僕は相手にあんな風にキレたりはしません(笑)。

竹内一希エーマは生き方が激しいよね。

田中永真事故に遭って大怪我をして、手助けしてくれる彼女に暴言を吐くシーンがありますが、セリフ合わせの時に八木さんから「それだと優しすぎるから、もっと何とも思ってない感じで」と言われて、僕自身だったら絶対言えないと思いました。「うるせえな」が口癖のように出てきますが、ツッコミでしか言ったことないのを本音になって言うのは大変でした。もう、本当にうるさいと思って言うしか無いと、演じながら心では「ごめんね」と思っていました。

竹内一希実(みのる)は長野のリンゴ農家の跡取りで東京に出てきて芸人になりたいけど反対されている、という役柄ですが、僕は東京で生まれ育って、今も実家に住んでいて、芸人になることも親は「がんばって」と応援してくれているので真逆なんです。実のようなハードルが全くなかったのですごいなと思いました。とはいえ、一般的な芸人のイメージの一つとして、反対されても芸人になるんだ、という話は分かりましたので、壁に立ち向かう男を経験できて、今芸人をやれているありがたさを知ることができました。
実のことはポジティブな性格だと思います。お母さんを早くに亡くしていて、お父さんに反対されながらも芸人になるためにアグレッシブに動きまわっているのはすごいですし、吃音という壁があって、喋りたい、伝えたいという溜まった気持ちをネタとして爆発的に放出しているイメージなので、言いたいことを芸人になって言えているのは格好良く見えました。

Q 駆け出しの芸人として上を目指している実たちについてはどう感じましたか。

A田中永真エーマが実に嫉妬する場面がありますが、芸人の間でもそういうことはあることなので理解はできますが、それを表に出すのは恥ずかしいし、負けましたと言っているのと同じだと思うんです。実が爆笑問題さんのラジオに出演した放送を聴いて「お前には負けねえからな!」と嫉妬するセリフは、演じていて一番恥ずかしかったです。でも、役ができてきたのはその辺りからです。僕自身を残していたらエーマ役になりきれないと腹をくくりました。

竹内一希実は真っ直ぐすぎて他の芸人にいじられるタイプです。「笑わせたいんだ」なんて芸人は自分からは言わないですからね。実もエーマもふたりとも熱いやつらでした。

Q お互いのお芝居を見てどう感じましたか。

A田中永真僕はまだましかなと思いました。実は繊細な芝居が多くて勢いでごまかせない役です。エーマは「くやしい!」「何なんだよ!」と感情が全部外向きで爆弾のようなキャラクターでしたけど、実は吃音という自分が持っているものの上に、お父さんとの関係という境遇の悩みもあるし、そこの描き方をちょっとでも疎かにしたら、バカにした感じになってしまうので、繊細に演じなければならないのは大変だろうなと。長野で体調を崩すんじゃないかと心配していました。

竹内一希そうなんです、僕はもともと丈夫ではないので自分でも心配していました。何事もなくて良かったです。
エーマ役については、彼のようなことを普段は言わないので、感情が爆発している様子にびっくりしました。怒っている顔を見てこんな表情をするのだと、本当に怖くなりましたし、それができるのはすごいなとも思いました。僕もあまり怒りを出さない方なので、あんな風に怒ってばかりだと体力も使うだろうし大変だろうなと思いました。

Q 長野県(下伊那郡松川町)でのロケはいかがでしたか。

A竹内一希僕は東京育ちなので、山が近くに見えて、景色がきれいというところから驚いていました。農園はすごく広くて、土地の広さ、空間の広さにもびっくりしました。夜は本当に真っ暗になるので自然を体感できて、過ごしていて気持ち良かったです。体調を崩さなかった要因は松川町の自然のおかげですね。八木さんもこの景色を気に入っていましたし、この映画にとって、すごく良かったと思います。

田中永真僕は田舎の出身なので、田舎の良さは何となく分かっていましたが、酪農の町だったので、松川町のような果樹園はなくて、空気感は地元に似ているようでいて、りんごの木があって、その背景に山の緑があって、りんごの赤色が点々と見えるという色使いは新鮮でした。この色使いのパターンの田舎はいいなと思いました。

Q 共演の方々とのお芝居はいかがでしたか。

A竹内一希田中要次さんとの共演は、本当に胸を借りる気持ちでお任せという感じでした。直接的なアドバイスをいただいたわけではないですけれど、一緒のシーンで自然と導いてもらえて、違和感なく、思っていた以上にスムーズにできたのは共演した俳優の皆さんのおかげだと思います。

Q 竹内一希さん、田中永真さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

A竹内一希この映画の内容もさることながら、映画化に至る道筋もトリッキーだったので、それも含めて観ていただけると面白いと思います。マネージャーが自分のタレントを主演に映画を撮って、このストーリーの基になっている松尾アトム前派出所さんという芸人もいるというところにも注目してほしいです。八木さんが伝えたいメッセージが映画になって、僕らもできる限りのことをやったので、ぜひ観ていただきたいです。

田中永真りんご農家と芸人。大体の人が馴染みのない職業ですけれど、特殊な中にある親子の感情、特殊だからこそよく見える親子の愛情に注目して観ていただきたいです。僕は逆にそこ一点を観ていただいて感動してほしいです。

Qまんじゅう大帝国・竹内一希さん、田中永真さんからOKWAVEユーザーに質問!

竹内一希自分のお父さんに一番笑わされてしまったエピソードを教えてください!

田中永真僕からは逆に、お父さんを一番怒らせてしまったことは何ですか?

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■Information

『実りゆく』

2020年10月9日(金)より新宿武蔵野館ほか全国公開

長野県下伊那郡、松川町。代々続くりんご農家の後取りとして生まれた実(みのる)。
母親の死後、父親と二人で農園を切り盛りする彼は、週末になると、独り東京に出向き、お笑いライブに出演していた。生まれつき吃音を持つ実だったが、芸人として舞台に立つ時だけは流暢に喋れた。自分の喋りで人を笑わせている瞬間が、何よりも幸せだった。実(みのる)は、りんご農家として生まれつつも、お笑い芸人になるという夢を抱いていた。
しかし、りんご農家を継ぐ者には25歳になる年に、ある大切な儀を行わなければならなかった。それは、町を納めるりんごの神様に挨拶をし、一人前のりんご農家として認めてもらう奉納祭だった。奇しくも、実が受ける奉納祭の日は、「WAGEIグランプリ」と呼ばれる、お笑い芸人なら誰もが目指すべき超大会と同じ日。
笑いに進むのか?りんごを継ぐのか?実の人生のタイムリミットは、刻一刻と迫っていた。
なぜ実は、そこまでしてお笑いに突き進むのか?そこには、“母親の死後、笑顔を失った父親を笑顔にしたい”という強烈な想いがあった。母は生前、“実にしかできないことを、一生かけて実らせなさい”と実に説いていた。
”父さんに笑って欲しい”
それは、実が、実にしかできないことだと、胸に秘めていた想いだった。
そして迎える運命の日。
実は、想いを、夢を、実らせることができるのか?

竹内一希 田中要次
田中永真 橋本小雪 鉢嶺杏奈
島田秀平 小野真弓 三浦貴大
爆笑問題(特別出演)
山本學

監督・脚本:八木順一朗
配給:彩プロ

https://minoriyuku-movie.jp/


■Profile

まんじゅう大帝国

まんじゅう大帝国(竹内一希、田中永真)映画『実りゆく』竹内一希(1994年4月27日生まれ、東京都出身)
田中永真(1993年3月30日生まれ、北海道出身)

2016年6月コンビ結成、2017年4月デビュー。
結成直後の「M-1グランプリ2016」にて、アマチュアながら、3回戦進出を果たし話題を集めた。
出演番組にはフジテレビ「ENGEIグランドスラム」「笑レース」、テレビ東京「日曜ちゃっぷりん」、TBSラジオ「マイナビラフターナイト」ほか多数。
2020年3月には、国立演芸場令和元年度「花形演芸大賞」銀賞をコンビで受賞。
竹内一希は演技力の高さにも定評があり、役者としても活躍中。「ウルトラマンR/B」(18/テレビ東京)、SEA BREEZE WEBCM「Poolside Desteny」(18)、「特命!おばさん検事 花村彩乃の事件ファイルSpecial」(19/テレビ東京)、「行列の女神~らーめん才遊記~」(20/テレビ東京)ほか多数出演。

http://www.titan-net.co.jp/talent/manjudaiteikoku/