Vol.963 女優 小川紗良(映画『ビューティフルドリーマー』について)

小川紗良(映画『ビューティフルドリーマー』)

OKWAVE Stars Vol.963は映画『ビューティフルドリーマー』(2020年11月6日公開)主演の小川紗良さんへのインタビューをお送りします。

Q 本作主演についてはどう受け止めましたか。

A小川紗良(映画『ビューティフルドリーマー』)小川紗良2019年の春くらいに本広克行監督からオファーをいいただきました。映画研究会の監督役ということで、私は学生時代から自分の監督作を映画祭に出していたので、そういう自分のことを知っていて、こういう役柄をくださったのが嬉しかったです。


Q だいぶ特殊なつくりの映画とのことですね。

A小川紗良エチュード(即興芝居)で作っていくシーンが多かったんです。最初にいただいた台本は物語の枠組みはあるけれど、細かいところは分からなくて、どうなっていくのだろうという気持ちが強かったです。

Q どのような進め方だったのでしょう。

A小川紗良(映画『ビューティフルドリーマー』)小川紗良映画研究会の部員役のみんなと顔を合わせて、最初に稽古期間を設けていただいたので、エチュードの稽古から始めました。その時のみんなの話す感じやテンポ感を掴みながら、だんだんとチームワークができていきました。
本広監督の演出スタイルは役者に委ねるタイプだと思うので、撮影に入ってからあまり細かく演出されることはなかったです。エチュードのレッスンの時に、映画研究会の部員らしい映画の小ネタのアイディアをいただいて、取り入れていました。

Q 小川さんの演じた“サラ”をはじめ、全員、本人と同じ名前のキャラクターですが役作りはどのようにされたのでしょう。

A小川紗良(映画『ビューティフルドリーマー』)小川紗良役は役なので自分と分けたい気持ちはあるので複雑です。一方で、普段みんなが呼び合う時は名前で呼ぶので、今回のようなエチュードのスタイルでは、ふだんのまま呼べばいい自然さに助けられたところもあると思います。
サラについては、映画を作る時に、その目の前のことに一生懸命になるので、そこを大事にして演じました。私よりもかなりパワフルで無茶振りもするので振り切って演じました。私が監督をする時にはまず言わないようなことをサラは必死になるあまり言っていたなと思います。

Q 共演者についてはいかがでしたか。

A小川紗良(映画『ビューティフルドリーマー』)小川紗良映画研究会のみんな面白かったです。今回、舞台系の方が多くて、舞台の方は常に生の場で勝負されているからか、度胸があると感じました。エチュードでちょっと間ができてしまった時やテンポが悪くなった時に助け舟を出してくれるのは彼らでした。
斎藤工さんとは短い時間でしたがお話もいろいろできて、映画愛がすごい方だと感じました。プロデューサー的な視点で考えていらっしゃるので、その考えに触れられたのも新鮮でした。

Q 本作の原案が押井守さんで、サラたちが撮ろうとする映画「夢みる人」の設定も分かる人には分かる内容ですが、この劇中劇をどのように受け止めましたか。

A小川紗良(映画『ビューティフルドリーマー』)小川紗良この『ビューティフルドリーマー』での設定の、“映画研究会の昔の先輩が撮ったいわくつきの作品”だと割り切って取り組みました。不思議な作品ですし、そういう映画を撮っているんだという貪欲さを出していこうと思いました。目の前にあるものや思いついたものを欲のままにみんなが言い合っていくと、とんでもない作品になっていくのかなと思って演じました。劇中劇のためのオーディションのシーンはエチュードで、池田純矢さんや飯島寛騎さん、秋元才加さんら演者役の役者さんに遠慮せずに思いついたことを無茶振りしていきました。そんな私たちの要求に皆さん全力で応えてくださったので、ありがたかったです。

Q 演じていて思い出深いシーンなどはありましたか。

A小川紗良(映画『ビューティフルドリーマー』)小川紗良映画の序盤に、映画研究会の部室からサラが発見した昔の先輩が撮ったフィルムを映写機でみんなで観るシーンがあります。私自身も部室で先輩の撮った古いフィルムを見つけてみんなで観たことがあったので、その時の記憶とリンクして、フィルムで観るワクワク感を思い出して、楽しかったです。
この映画の中のエピソードの、データが飛ぶとか機材が壊れるとかお金が尽きるといったことは学生映画あるあるで、そんな気持ちだけが突っ走った学生映画の空気感にも懐かしさを感じました。

Q 本作主演を経て、新しい気づきなどはありましたか。

A小川紗良こういった大部分がエチュードの作品に挑戦したのは初めてで、あまり考えすぎずに飛び込む度胸や勝負強さをこの作品を経て得られたなと思います。役者同士の信頼感やチームワークで成り立つ基本のところは、エチュードにしてもそうではない作品にしても変わらないのかなとも思いました。そういう根幹のようなものをあらためて見ることができたのが良かったです。

Q 小川紗良さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

A小川紗良映画研究会を舞台に、すごくいろいろな出来事が起きる作品です。人の距離がとても近くて、その距離の近さでいろんな事件や面白おかしい出来事が起きるので、今見るととても特別なことなんだと思います。この映画を観て、純粋に楽しいと思える時間を提供できればと思います。『ビューティフルドリーマー』というタイトルにもある通り、とくに今何かを夢見ている人や、何かに熱中していたことのある人に観ていただきたいなと思います。

Q小川紗良さんからOKWAVEユーザーに質問!

小川紗良私はすごくカレーが大好きなので、おすすめのカレーのお店を教えていただきたいです。

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■Information

『ビューティフルドリーマー』

映画『ビューティフルドリーマー』2020年11月6日(金)テアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほかにて全国順次公開

翌日にせまった文化祭の準備に追われ、先勝美術大学の校内は、学生たちの熱気と喧騒に包まれていた。そんな中、例年通り文化祭で展示も発表もしない映画研究会の部室だけは、いつもと同じように、まったりとした時間が流れていた。しかしその朝「部室の片隅に何かある」という不思議な夢を見たサラは、本当に古い段ボール箱を見つけてしまった!その中には古い脚本と演出ノート、1本の16mmフィルムが入っていた。そのタイトルは「夢みる人」。さっそく映写してみるが、なぜかその映画は未完のままだった。そこにふらりと表れたOBのタクミ先輩は、彼らに「これは撮ろうとすると必ず何か恐ろしいことが起こる、OB達の間ではいわくつきの映画だ」と告げる。しかしこの映画にすっかり魅せられたサラは「これ、私たちでやってみない?」と部員たちに猛アピール。監督はサラが担い、プロデューサーはリコ、撮影はカミオ、録音にウチダ、衣裳とメイクはシエリ、助監督とその他雑用をモリタが担当し、一致団結してはじめての映画制作への挑戦が始まる・・・が、部員たちは次々に予期せぬ困難やトラブルに見舞われる。
やがて、資金は底をつき、準備していたクラウドファンディングも大失敗・・・
この脚本は本当に呪われているのか?この終わりなきトラブルに出口はあるのか!?
映画研究会の映画制作という“祭”はまだ始まったばかりだった!

小川紗良 藤谷理子 神尾楓珠 内田倭史 廣瀬詩映莉 森田甘路
伊織もえ かざり 斎藤工 秋元才加 池田純矢 飯島寛騎
福田愛依 本保佳音 瀧川英次 田部文珠香 升毅

監督:本広克行
原案:押井守『夢みる人』
配給:エイベックス・ピクチャーズ

https://beautifuldreamer-movie.jp/movietop/

(C) 2019 映画「ビューティフルドリーマー」製作委員会


■Profile

小川紗良

小川紗良(映画『ビューティフルドリーマー』)1996年6月8日生まれ、東京都出身。
早稲田大学出身の「女優・映像作家・時々執筆家」。
高校時代に雑誌に掲載されたことがきっかけでスカウトされ、女優としての第一歩を踏み出しつつ、学校行事を撮影・編集し校内で上映するなど、映像作家としても第一歩を踏み出す。
大学時代は主演した映画『イノセント15』(甲斐博和監督)や『聖なるもの』(岩切一空監督)が話題になり、映像作家としても『あさつゆ』『BEATOPIA』『最期の星』と3作品が各地の映画祭で上映されるなど話題になった。2018年にYTV-NTV「ブラックスキャンダル」で主人公にマネジメントされる若手女優「小嶋花恋役」を熱演。2019年は早稲田大学を卒業するとともにドラマ「まんぷく」(NHK:メインキャスト)「向かいのバズる家族」(YTV:レギュラー)「フォローされたら終わり」(AbemaTV:ヒロイン)と連ドラ出演を重ねながら、2020年1月cool「アライブ」では、乳癌患者・佐倉莉子役を好演。映像作家としても4作目、鹿児島県阿久根市で撮影した初の長編作品『海辺の金魚』が2021年に公開予定。

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