OKWAVE Stars Vol.972は映画『海の底からモナムール』(2020年12月4日公開)主演の清水くるみさんへのインタビューをお送りします。
Q 本作の脚本の印象をお聞かせください。
A清水くるみ不思議な話だと感じました。ロナン・ジル監督は「ホラーではない」と言い切っていたので、それもフランスと日本の違いなのかなと思いました。最初に読んだ脚本は直訳のような日本語だったので、私の役ではそれほど変更しませんでしたが、とくにキャンプに来たタクマたち4人の会話のセリフは桐山漣さんらと監督が相談しながらかなり修正をして演じていました。
Q ミユキ役についてどう受け止めましたか。
A清水くるみロナン監督は私の出ている動画を見て最初に指名してくださったそうで、「等身大のまま演じてください」と言われました。撮影当時は高校を卒業して大学に入ったばかりだったので、監督の言う通り、等身大のままに演じました。私は年々性格が明るくなっているんですが、撮影をした5年前はミユキと同じタイプの暗い役を演じることが多くてトーンが落ちていました。最近映画を改めて観て、今だったら等身大には演じられないなと、あの時だからそのまま演じられた役だと感じました。
Q フランス人のロナン・ジル監督とはどんな話をされましたか。
A清水くるみ監督は日本語も話せますが共通言語は英語で、通訳の方もいましたが、なるべく意思疎通できるようにと私たちは英語を、監督は日本語で話すので、すごく仲良くなりました。私たちはホラーだと思っているし、監督はせつない純愛ラブストーリーだと思っているので、一致する部分をすり合わせするためにもコミュニケーションを取ることを大事にしていました。
撮影後も監督が東京に来る時にはみんなで連絡を取り合ってご飯に行ったり、英語の話せる友だちを連れて3人でお蕎麦を食べに行ったこともあります。
Q “セーラー服の幽霊”役で、水に入るシーンも多かったですね。
A清水くるみ撮影は広島で夏でした。私が通っていた中学校はセーラー服だったので懐かしい気持ちになりましたが、その衣装のまま水に潜るのは、体力も使うので大変でした。とくに水の中で目を開けているシーンは、普段コンタクトレンズを使っているので、それを外して水の中で演じるとカメラがどこにあるのかも分からなくて大変でした。
Q 共演者の方々についてはいかがでしたか。
A清水くるみ桐山さんたち4人は同世代でもともと仲が良くて、私から見るとお兄ちゃん、お姉ちゃんという感じで仲良くさせていただきました。フランス人の監督との現場はみんな初めてだったと思いますし、セリフをより自然な日本語に直すなど、みんなで同じ方向に向かってがんばれる現場は、より仲良くなれますし、カメラが回っていない時は和気藹々としていました。
Q ホラー要素ならではの芝居の違いのようなものはありますか。
A清水くるみこの映画は音楽が独特で怖いシーンでもキーポイントになっていると思います。演出面では、前野朋哉さんが演じるマツの運転する車のライトの先に私がいるシーンは、撮影時は特別に作ったりせずに立っているだけだったので、完成した映像を観てこうなっているのかと思いました。怖がる側の方に演出が多かったので、普通のホラー映画に比べると幽霊側の私は「ただ愛されたい」というミユキの気持ちを自然に演じることに努めていました。
Q その「ただ愛されたい」というミユキの心情についてどう感じましたか。
A清水くるみ以前に多重人格の役を演じた際に、誰からも認められなかったその人が「大丈夫だよ」と初めて言ってくれた精神科医を好きになってしまうという気持ちがよく分かったので、同じようにミユキもタクマからそういうことを初めて言われてタクマのことを好きになってしまったのだろうなと思います。でもタクマの言葉はさりげない一言で本当は好意ではなかっただろうけれど、それをそう受け止められずに「愛されたい」と思ってしまうのも、気持ちとしては分かるなと思いました。そんな気持ちが強くなりすぎた生き霊のようなものはこの世の中にはいっぱいあるんじゃないかなとも思います。
Q 清水くるみさんからOKWAVEユーザーにメッセージ!
A清水くるみ日本の監督がこの題材を撮ったらホラー映画になりますが、フランス人の価値観でとらえたロナン・ジル監督の作風は純愛映画にも見えます。音楽も素敵ですので、ぜひそこにも注目して観ていただけたらと思います。今の私が演じたら全く違うミユキになっているだろうなとも思いますので、そんなところもぜひご覧ください。
Q清水くるみさんからOKWAVEユーザーに質問!
清水くるみホラー映画に出演しましたが、実は観るのは怖くて苦手です。とくに、映画館は他の人がいますが部屋で一人では観られません。皆さんへの質問ですが、まずホラー映画は好きかどうかということと、とくに苦手だけど観たいという時にはどんな対策をしているか聞きたいです。
■Information
『海の底からモナムール』
10年前、イジメに遭い、島の崖から飛び降りた女子高生・ミユキは、「ただ愛されたい」という想いを抱き、17歳のままずっとこの瀬戸内海の浜にいる。
当時、ミユキが想いを寄せていたタクマは、同じく島出身のマツに連れられ、それぞれの彼女・カオリとトモヨと一緒に、卒業後初めて島に戻ることに。
その島では去年、かつて近所に住んでいた同級生のリカが溺れて死んでいた。「あの浜に行くな」と言う忠告を聞かず、浜でキャンプをする4人。夜、浜でミユキを見て、テントに駆け込むタクマ。海で泳いでいたカオリは、誰かに足を引っ張られ、危うく溺れそうに。果たして4人は、無事に帰京できるのか…。
出演:桐山漣 清水くるみ
三津谷葉子 前野朋哉 杉野希妃
監督・脚本:ロナン・ジル
配給: アルミード
公式サイト:uminosoko-movie.com
Twitter:@uminosoko_movie
Facebook:@uminosoko.movie
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■Profile
清水くるみ
1994年7月16日生まれ。愛知県出身。
2007年「アミューズ30周年全国オーディション」でグランプリを受賞。2012年に映画『桐島、部活やめるってよ』で注目を集め、『ジンクス!!!』にて映画初主演。主な出演作に、映画『orange』(15)、『青の帰り道』(18)、山戸結希企画・プロデュース映画『21世紀の女の子』(18)、『チア男子!!』(19)、『長いお別れ』(19)、『宇宙でいちばんあかるい屋根』(20)などがある。
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ヘアメイク:堀川知佳