Vol.977 山田杏奈・山口まゆ(映画『樹海村』について) 

山田杏奈,山口まゆ(映画『樹海村』)

OKWAVE Stars Vol.977は映画『樹海村』(公開中)W主演の山田杏奈さんと山口まゆさんへのインタビューをお送りします。

Q 『犬鳴村』に続く【恐怖の村】シリーズ第二弾となる本作への出演について、第一印象をお聞かせください。

A映画『樹海村』山田杏奈本格的なホラー映画に出演するのは初めてです。私が初めて主演した『ミスミソウ』が結構ダークな作品だったので、私にはそのイメージもあるのかなとも思いました。清水監督も『ミスミソウ』を観ていてくださっていたそうで、それも嬉しかったです。

山口まゆ私はオーデションで選んでいただきました。子役事務所に所属していた頃に初めてエキストラで出させていただいたのが清水監督の『ラビット・ホラー』だったんです。楽しく参加させていただきましたが、まさか10年後に清水監督の作品に主演の一人として参加できる機会がくるとは思わなかったので、オーディションの時もその話をさせていただきました。清水監督から「今回もその時のスタッフが多いんだよ」と言っていただいて、ご縁も感じましたし、より一層頑張りたい気持ちになりました。

Q 天沢鳴(めい)・響(ひびき)の姉妹役を演じていかがでしたか。

A映画『樹海村』山田杏奈私たちは同い年ですが姉妹役ということで、ちゃんとした共演も初めてなんです。私が演じた響は姉に迷惑をかけてばかりの妹でしたが、“自分は自分”という役なので「だって選択肢はこれしかないよ」という気持ちで演じました。すごく仲の良い姉妹役ではないですが、一緒にお芝居をするのは楽しかったです。終盤には姉妹愛も描かれているのでそこに向けてのお芝居の変化なども見せられたかなと思います。

山口まゆ私は長女で実際に妹がいるので、妹の扱い方のようなものは分かるので、台本には書かれていない部分も理解できて、すんなりと演じられました。杏奈ちゃんが柔らかい雰囲気なので、響もそんな印象があって、一方の私は強めの姉・鳴でしたが、完成した作品を見て姉妹らしく見えて良かったです。

Q 姉妹の似ているところも映像に表れていましたが、お互いの印象や共演の感想をお願いします。

A山田杏奈同じシーンでの共演がそこまで多くはなかったのですが、一緒にいるときも、頑張って話さないと、というような関係性ではなかったです。空気感が似ているところもあって、撮影の早い時期から姉妹としてのシーンもありましたが、壁のようなものを感じることなく演じられました。
仕事をしているジャンルも似ているので、同世代として意識しているところもありますが、まゆちゃんのお芝居の嘘がない感じが好きですし、台本を読んでいて鳴を演じるのは大変だと思いましたので、まゆちゃんがどう演じるのか楽しみでした。

山口まゆ現場で向き合って演じている時はそこまで考えられないのですが、完成した映画を観て、杏奈ちゃんは身体の使い方は上手だし、繊細な演技をされるのが素敵だなと思いました。杏奈ちゃんとご一緒したい監督はたくさんいるのだろうなと感じさせられましたし、存在自体がほしいと思わせる女優さんなんだろうなと思います。響もスクリーンの中で輝いていましたし、作品の中で輝く方なんだと思いました。

Q 役作りで何か参考にした作品などはありますか。

A山田杏奈『ぼくのエリ 200歳の少女』を監督に薦められて観ました。響は人間よりも虫や植物に共鳴する人物なので、そういうところから役にアプローチしました。それと『シックス・センス』も観て参考にしました。

山口まゆ奥菜恵さんが主演の『呪怨』を観たのですが、怖いシーンが頭や心に残っていて、一人でお風呂に入っているときとかにふと思い出して怖くなってしまうような…人の心に恐怖感を焼き付ける手法は清水さんならではなのかなと感じました。怖いのは本当に苦手というのもあるのですが、私の役は霊が見えないですし、参考にしすぎても真似になってしまうので、私が中に入ってその場で刺激を受けて演じられればいいなと思い、あまりホラー映画の過去作品は見ないようにしました。でも、恐怖の芝居が分からなくなることもあって、そんな時はいろんな映画の予告編を観て自分なりに演じていきました。

Q ではホラー映画としてのお芝居を演じてみていかがでしたか。

A山田杏奈ここは怖さのレベルの何段階目、ということを考えて撮影に入りました。シーンによって、怖がりすぎたり、あっさりし過ぎて観ている側に違和感を与えてはいけないので、悲鳴や驚き方のバリエーションを考えつつ、自分が準備して知っていることを一度忘れて演じたので、新しい体験でした。
「幽霊を見た怖さ」をリアルに演じられるかと言えば、そこはやはり想像になってしまうので、私には見えている、という芝居をすることを心がけました。

山口まゆ怖がる芝居にはすごく苦労しました。撮影初日から人の死と向き合うシーンの撮影だったので、どうしたらいいかかなり考えました。人は本当に驚くと言葉が出なくなってしまいますが、それを恐怖として表現するのは難しくて、監督にも随分相談しました。終盤の洞窟のシーンがとくに大変で、監督から「もっと怖がって」と言われてしまいましたが、恐怖を顔に出すのが難しかったです。表情の見せ方とお芝居の見せ方、叫び方のようなテクニックの部分での苦労が多かったです。私の役は後半、ずっと泣いているので、この映画を経たことでどこでも泣けるようになりました。
クライマックスは幽霊と向き合いますが、幽霊役の方が上手で、追いかけられる怖さも感じましたし、しかも本番の二回目で初めて脚を掴まれて、本当に怖いと感じました。私自身はそもそもビビリで怖いところに踏み込まないんです。映画を観ていて、私は驚いたとき、必ず手を上げていることに気づいて、これが私の癖なんだということに気づかされました。

Q リアルに怖い状況はありましたか。

A映画『樹海村』山田杏奈撮影で使っていた“コトリバコ”を撮影するときに、いつもなぜかノイズが入ってしまうと監督たちが話していて、最終的には無事に撮れましたがそれが何回か続いたのでなぜだったのかなと思います。
私は全く霊感がないので、響には見えるけれど私には見えないという、その感覚で演じました。とくに怖い思いもなく無事に撮影が終わって良かったなと思います。

山口まゆ母や友だちに「樹海で撮影だよ」と言ったらすごく怖がっていましたが、実際の樹海での撮影では怖いという感覚はなかったです。昼間の撮影では、景色はきれいですし、撮影は夏でしたけれど、樹々に高さがあって太陽の光がそんなに入ってこないので、そんなに暑くもなく居心地も良かったです。でも、夜になると真っ暗で何も見えなくなるので、そのギャップは映画にも出ているんじゃないかなと思います。
樹海で磔にされるシーンが、そもそも身体を拘束されるという、普通には起こらないことなので、身体的にも精神的にもキツかったです。しかもその撮影は2日くらいかかっているのでなおさら大変でした。夜の樹海は光が全く入らないので、夜のシーンでも昼間に撮影をしているんです。國村隼さんの演じた出口と鳴たちが樹海で会うシーンは夜に撮っていて、行く前は怖くなかったんですが、結局、夜の樹海での撮影はやはり怖くて早く帰りたいなと思いました(笑)。

Q 清水崇監督の演出はいかがでしたか。

A山田杏奈清水監督は怖いホラー映画を作っているとは思えないくらいお茶目な方なんです。それでいて的確なアドバイスをしていただけるので、面白い方だと思います。

山口まゆ結構お芝居は役者に任せてくださるタイプでもあるんです。私はいま大学で映画を学んでいるんですが、授業で私が監督をしたことがあって、演技に関するアドバイスは比較的できるのですが、監督は作品全体を見ながら、そこからどう見えるかを伝えないといけなくて。それを伝えていくのは難しいなと思いました。それを清水監督は的確にアドバイスしてくださるし、寄り添ってもくれるんです。私がこうしたいと相談するとそれを使ってくださったり、毎日慎重に撮影して毎日腑に落ちる芝居ができたので、それは本当に清水監督に感謝しています。

Q 現場の雰囲気についてお聞かせください。

A映画『樹海村』山田杏奈本当にホラー映画を撮っている現場かと思うくらい穏やかな現場でした。同世代の共演者が多いですが、5人みんなが揃う共演シーンは多くはありませんでしたが、みんなで穏やかに過ごしていました。

山口まゆ精神科医役の塚地武雄さんとのシーンのときは、とくに現場の雰囲気が明るかったです。原日出子さんはご家族に霊感の強い方がいるそうで、そんな話をしていただきました。國村さんは最初は怖い印象がありましたけど、実際にはすごく優しい方でした。安達祐実さんもすごく優しい方で、皆さんと共演できて本当によかったです。

Q 【呪いの村】第二弾ということでホラーファン注目の作品です。あらためてメッセージをお願いします。

A山田杏奈今回のオファーをいただいて、役の参考以外にも『犬鳴村』や『呪怨』も観ました。『呪怨』はこれが日本のホラーの原点なんだと思いながら観て、『犬鳴村』には更に新しい要素が加わっていて、この『樹海村』も単純にホラーと言うより、バックボーンや歴史があって今に至っているということを全部描いているので、いろんな角度から楽しめるし、いろんな角度から怖がれる、新しいジャンルのホラーになっていると思います。

山口まゆただ怖がらせるだけのホラー映画ではなくて、人の怨念や情のようなものがあって、物語の中で恐怖を感じる作品です。『呪怨』のような日常の怖さ描いた作品もありますが、『犬鳴村』や『樹海村』はストーリーの中の怖さなので、物語としての怖さ、ファンタジーとしての怖さは、映画ならではの意味があるなと感じました。『樹海村』の台本を読んだときは、終盤がどんな映像になるのか想像できませんでしたが、完成した映画は感動もしました。

山田杏奈そうそう、この映画はファンタジー・ホラーだよね。

Q山田杏奈さん、山口まゆさんからOKWAVEユーザーに質問!

山田杏奈何か一発芸ができるといいなと思っていて、ほどよい簡単な一発芸を教えてください。

山口まゆ皆さんは運命って信じますか。学校で2時間くらい友だちと話したこともあるので、皆さんの意見を聞きたいです。

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■Information

『樹海村』

映画『樹海村』2021年2月5日(金)より全国公開中

「絶対に検索してはいけない」とインターネットで語り継がれる、通称“コトリバコ”。そして「SUICIDE FOREST」として 世界的に有名な富士の樹海。樹海の持つ異界のパワーとコトリバコに閉じ込められた忌まわしい記憶が共鳴し、いま、入ってはいけない、開けてはいけない恐怖の扉が開く!

山田杏奈 山口まゆ
神尾楓珠 倉悠貴 工藤遥 大谷凜香

監督: 清水崇
配給: 東映

www.jukaimura-movie.com

Ⓒ2021「樹海村」製作委員会


■Profile

山田杏奈

山田杏奈、山口まゆ(映画『樹海村』)2001年1月8日生まれ。
「ちゃおガール☆2011オーディション」でグランプリ受賞。初主演映画『ミスミソウ』(18)、『小さな恋のうた』(19)ではヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。数多くの作品に出演する注目女優。近年の主な出演作に主演ドラマ 「荒ぶる季節の乙女どもよ。」(20/MBS)、主演映画『ジオラマボーイ・パノラマガール』(20)、ヒロイン役で『名も無き世界のエンドロール』(21)などがある。

https://www.amuse.co.jp/artist/A8357/
https://twitter.com/anna0108yamada
https://www.instagram.com/anna_yamada_/

山口まゆ

2000年11月20日生まれ。東京都出身。
ドラマ「昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜」(14/CX)でドラマ初出演、2016年には15歳で『相棒 -劇場版IV-』のヒロインを演じるなど演技派女優として活躍の場を広げている。近年の主な出演作に、映画『僕に、会いたかった』(19)、『太陽の家』(20)、ドラマ「マンゴーの樹の下で〜ルソン島、戦火の約束〜」(19/NHK)、「女子グルメバーガー部」(20/テレビ東京)などがある。現在、ドラマ「江戸モアゼル〜令和で恋、いたしんす。〜」(21/YTV)に出演中。

https://www.flamme.co.jp/actress/profile.php?talentid=16
https://www.instagram.com/yamayu_official/


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