Vol.981 女優 雪中梨世(映画『漂流ポスト』について)

雪中梨世(映画『漂流ポスト』)

OKWAVE Stars Vol.981は映画『漂流ポスト』(アップリンク渋谷にて2021年3月5日公開から他全国順次公開中)主演の雪中梨世さんへのインタビューをお送りします。

Q 本作主演の経緯をお聞かせください。

A雪中梨世(映画『漂流ポスト』)雪中梨世通っていたワークショップに清水健斗監督が講師としていらっしゃって、この映画のオーディションを兼ねたワークショップを受けたのがきっかけです。私自身は3.11当時は地元の福岡にいたので震災を体験していないんです。テレビに映る被災地の様子を、本当に日本のことなのか、どこか遠くの出来事のように思いました。そんな私がこの作品を演じる意味についてはすぐには分からないこともありましたが、大切な人を亡くしてしまうことは誰にでもあることなので、しっかり伝えたいという気持ちでオーディションに臨みました。
選考が進んで最終的には撮影監督さんが私のことを可能性があると推薦してくださったそうです。

Q 撮影の様子についてお聞かせください。

A雪中梨世(映画『漂流ポスト』)雪中梨世清水監督が主人公・園美の心情をすごく大切にされていて、撮影は物語の順番通りに行われました。園美がどこから影響を受けて変わっていくのかを私自身の心の動くままに演じることができました。監督からは「好きなように演じていいから」と常に言われていたので、本当に自分の思うままに演じました。
漂流ポストのある岩手県陸前高田市のガーデンカフェ森の小舎には撮影前日に入って、漂流ポスト管理人の赤川勇治さんにお話を聞いて、届いた手紙を一人で読ませていただきました。その様子が撮られていて実際に使われてもいるので、よりリアルな感じが出ていると思います。手紙は、一文字一文字に思いがこもっていて、書かれた方がどんな思いでいたのかを想像して、まっすぐに向き合わなければならないという覚悟や、震災のことを伝えていかなければならない使命感や責任感も一層感じました。

Q 漂流ポストのある現地は不思議な空間ですね。

A雪中梨世森の中にあるので本当に静かなんです。赤川さんの声以外には鳥の声しか聞こえてこないので、本当に何もなくて。逆に自分の気持ちを吐き出しやすいような、環境が自分の背中を押してくれる雰囲気がありました。
ここでのお芝居はあえて何も考えないようにしました。「こうしよう」と考えてしまうと崩れてしまうと感じたので、その時の自分の気持ちを大切にしました。

Q 完成した映画を観て、ご自身ではどう感じましたか。

A映画『漂流ポスト』雪中梨世園美が中学生だった時代のシーンは完成してから初めて観ました。私は園美役を演じている間、本当に苦しくて、目の前が真っ暗な気持ちになっていたんです。それが学生時代の園美と恭子の二人のキラキラした様子を見て、園美の記憶の中で本当に輝いていたんだと感じました。大切な思い出だっただろうから、このシーンがあって本当に良かったなと思います。観ている皆さんもより自分のことに置き換えて観ることができると思います。

Q 震災の風化の問題も取り沙汰される中、心の中の大切にしているものが描かれた映画ですが、ご自身の大切にされていることは何でしょう。

A雪中梨世自分のためにがんばるよりも誰かのためにがんばることです。誰かのために時間や労力をかけることが結局は自分のためにもなると最近よく感じています。

Q 雪中梨世さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

A雪中梨世今の時代はメールや電話などいろいろな伝え方がある中で、手紙は書く労力も時間もかかるので段々と手が届かない伝え方になっているのかなと思います。でも、手紙を書くことは自分の気持ちとも向き合える素晴らしいツールだと私も思いました。この映画を観た方がそんな手紙の良さにも気づいていただけたらいいなと思います。

Q雪中梨世さんからOKWAVEユーザーに質問!

雪中梨世人生の中で一番楽しかった時期はいつですか。
私は今が一番楽しいです(笑)。

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■Information

『漂流ポスト』

雪中梨世(映画『漂流ポスト』)2021年3月5日(金)よりアップリンク渋谷ほかロードショー中

東日本大震災で親友の恭子を亡くした園美は、心のどこかで死を受け入れられず日々を過ごしていた。
ある日、学生時代に恭子と埋めたタイムカプセルが見つかる。
中には『将来のお互い』に宛てた手紙が入っていた…。蘇る美しい思い出と罪悪感。
過去と向き合う中、震災で亡くなった大切な人へ届けたい言葉・伝えることができなかった想いを綴った手紙が届く【漂流ポスト】の存在を知った園美は、心の復興を遂げることができるのか・・・

雪中梨世 神岡実希 中尾百合音
藤公太 永倉大輔

監督・脚本・編集・プロデュース: 清水健斗
撮影監督: 辻健司
撮影協力: 赤川勇治漂流ポスト3.11
配給: アルミード

公式サイト: https://www.hyouryupost-driftingpost.com/
公式ツイッター: hyouryupost
公式Facebook: hyouryupost.film

(c) Kento Shimizu


■Profile

雪中梨世

雪中梨世(映画『漂流ポスト』)1994年10月7日生まれ、福岡県出身。
2013年、舞台「桜の森の満開の下」(原作:坂口安吾)にてヒロインに抜擢されデビュー。その後、少年社中「ネバーランド」や柿喰う客フェスティバル「サバンナの掟」など舞台を中心に活動。TVドラマでは「家政夫のミタゾノ」や「越路吹雪物語」など話題作にも出演。本作品にて映画初主演を務める。


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