Vol.990 俳優 木下ほうか(映画『裸の天使 赤い部屋』について)

木下ほうか(映画『裸の天使 赤い部屋』)

OKWAVE Stars Vol.990は 映画『裸の天使 赤い部屋』(2021年4月2日公開)にて主演を務めた木下ほうかさんへのインタビューをお送りします。

Q 本作の印象について、どのようにオファーを受け止めましたか。

A映画『裸の天使 赤い部屋』木下ほうか主演のオファーでしたが、主役かどうかよりも、恋愛モノで普段演じているような嫌味な役ではないのでぜひ演じたいと。窪田将治監督とは何本もやっていますのでその点でも心配はなかったですね。撮影はだいぶタイトでしたが、2020年の1月に撮り終えました。まだコロナのコの字もない時期だったので“濃厚接触”ができた映画ですね。

Q 「週に一度、隠れ家で社長という地位や肩書を忘れて過ごす」という松永の役作りについてはどの様に進められたのでしょう。

A映画『裸の天使 赤い部屋』木下ほうか特に無いんです。シナリオという教科書があるので、そこに書かれたものを演じるということですよね。今回の話は、他人の家に入り込んだ人と出会うという無理のある設定ですが、その相手が可憐な少女だったから成立しているところがあります。役についてはとくに監督から指示もなく、話し合ったのは前貼りをするかどうかくらいです(笑)。人を好きになったり、浮気をしてしまうのは誰にでも起こりうることです。会社の社長であり、家族を守りながら、少女との逢瀬を重ねる、ということも特別変わったことをしているわけではないですし、そこに関わってくる男も現実にいそうな人物だと思います。

Q 文子役の中山来未さんとの共演はいかがでしたか。

A木下ほうか中山さんの最初の印象はすこぶる悪かったんです。挙動不審だったのと、本読みや立ち稽古でも不安があって、監督には代役を用意した方がいいのではと話しました。それが見事に現場をこなして、完成した映画を観て、この人で良かったと思いました。ですので、印象は真逆になりましたし、映画の中の松永と文子の関係性の変化と同様です。中山さんは今では僕と堂々となめらかに会話ができますが、最初は会話も成立しなかったのですから。後で聞いたところでは、僕の普段の役のイメージから、嫌味で怖い人という恐怖心があったようです。
ラブシーンは本来ならなるべくスタッフを減らして女優のケアをするものですが、今回は割と放ったらかしで、それが良かったのかなと思います。現場で気を使うことはあっても、ラブシーンのようなものの演出を制限したり、特別なことにするのには僕は違和感があるんです。

Q もし松永と同じシチュエーションだったらご自分だったらどうすると思いますか。

A木下ほうか実際に自分の家に侵入者がいれば即通報ですよね。これがすごくかわいい子だったらちょっとは話を聞くかもしれませんので、案外、現実を描いている作品です。ストーリーの舞台となる秘密の隠れ家は、持ち家とはいえ空き家なので、ホームレスが住み着いていてもおかしくないですから。

Q 現場でのエピソードなどお聞かせください。

A木下ほうか少女のことをいつから「文子」と呼ぶのか、その考えが監督と違っていたので、どのタイミングからかを提案して変えてもらいました。普段から自分の中でしっくりこない部分は話し合って変更してもらうんです。細かい辻褄が合わないのが気になって、自分のシーン以外にもついつい口出ししてしまうので、自分でも厄介な役者だと思います(笑)。今回の撮影ではほとんど聞き入れてもらえる現場でした。

Q 演じる上で考えていることはいかがでしょうか。

A映画『裸の天使 赤い部屋』木下ほうかいい意味での違和感であったり、いかに独自性を出すかということです。俳優としては、誰がやっても同じという結果ではいけないし、だからといってやりすぎると不自然になります。いかにもいそうで、でもちょっと違う、ということをどの役でも考えています。また、映像作品では編集されてしまいますので、自分の演技だけでは計算できないですし、いつも撮り直したいと思っているんです。

Q 本作に携わったことでの新しい発見などはありましたか。

A木下ほうか撮影は昔よりもスピードが速まっています。おおらかさが無くなる分、表現にかける時間もかけられなくなってしまうのですが、芝居がうまくいくときは相手の良さによる相乗効果なんだと思います。今回も撮影を重ねる中でそういう良いシーンが撮れたので、それは自分だけではなく相手に拠ることだとも感じました。また、より良いものを撮るためにも俳優側からも撮り直しを要求した方がいいとも感じました。一例を挙げると、松永が夜の公園に文子を探しに行って、その後に文子と言い合いになるシーンです。監督はOKを出して、シーンとしては成立しているけれども、もう一度トライすればもう少し良いものにできるのでは、という思いがあって撮り直してもらいました。ただ、難しいのはそうやって撮影を重ねても最初の方が良かったり、編集段階で違うものが使われたりもしますので、答えがあるものではないですね。

Q 木下ほうかさんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

A木下ほうかこういう物語だからこそ、映画館に足を運んで、暗い環境で大きな画面で観ていただきたいです。

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■Information

『裸の天使 赤い部屋』

映画『裸の天使 赤い部屋』2021年4月2日(金)公開

不動産会社を経営する松永は1週間に1度訪れ、社長という社会的地位も肩書も忘れて過ごす秘密の隠れ家があった。
ある夜、その場所で文子という少女と出会う。
文子の不思議な魅力に惹かれた松永は、いつしか秘密の場所で文子と深い関係に落ちていく。
しかし、松永の前に文子に会うなと告げる謎の男が現れる。文子に隠された秘密とは・・・

木下ほうか / 中山来未 / 柳憂怜 波岡一喜 草野康太 / 仁科貴

原案: 江戸川乱歩「畸形の天女」
監督・脚本・編集: 窪田将治
配給: キングレコード

http://hadaka-tenshi-movie.com/

©2021「裸の天使 赤い部屋」製作委員会

☆木下ほうかさんは、続編となる『聖なる蝶 赤い部屋』(4月16日(金)公開)にも出演!


■Profile

木下ほうか

木下ほうか(映画『裸の天使 赤い部屋』)1964年1月24日生まれ、大阪府出身。
ドラマ、映画に幅広く活躍中。

https://www.cactus-mgt.co.jp/actors/kinoshita.html
https://twitter.com/KINOSHITA_Houka
https://www.youtube.com/channel/UC9vmNCPJOJ8oHyYhcX0q5NA


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