Vol.994 俳優 山科圭太(映画『stay』について)

俳優 山科圭太(映画『stay』)

OKWAVE Stars Vol.994は映画『stay』(2021年4月23日公開)主演の山科圭太さんへのインタビューをお送りします。

Q 台本の印象をお聞かせください。

A俳優 山科圭太(映画『stay』)山科圭太非常に静かな時間が流れているなというのが第一印象です。セリフもト書きも割と少なくて、物事が淡々と流れていて。最初に読んだ時はこの映画の持っている面白みを掴めなくて、何回か読んでいくうちに矢島の心の動きが段々と分かってきました。

Q では、矢島の役柄についてはどう受け止めましたか。

A山科圭太矢島は空き家に住んでいる人たちを追い出す立場です。でも、ガツガツと強くは行けないところは、僕もそういうタイプではないので、彼の気持ちはよく分かります。仕事として空き家にやって来て退去してもらうはずが、周りに流されて一晩過ごすことになりますが、自分が今いる環境から離れたいという、矢島のちょっとした願望もあったと思います。彼の行動に至った気持ちには共感できますし、周りに身を任すことで結果的に矢島も変わっていくというところにも共感できました。

Q 心の内面の動きが多い繊細なお芝居でしたね。

A山科圭太監督とも話しましたが、基本的には台本に書かれているト書きとセリフに沿って、あまり余計なことはせずに、周りの人たちの動きやセリフに静かに反応していきました。

Q 空き家の屋内が舞台になりますが、撮影についてはいかがでしたか。

A俳優 山科圭太(映画『stay』)山科圭太撮影したのはセットではなく、実際に山の中にポツンとある家屋です。これから人が住み始めるということで、改装される前で、映画的に美術を作り込んでいるところもあります。現地に行った時には非常に魅力的な空間だと思いました。僕は大学で建築を学んでいたので、この家屋そのものにも興味がありましたし、普段あまり目に触れない仕切りのない大きな空間もそうですし、普通は襖で仕切られているような部屋の内と外が曖昧で影響し合うような空間には魅力があると感じました。あの場所にいるのもそこで演技をするのも気持ち良かったです。

Q 住民役のキャスト同士ではどんな話をしていましたか。

A山科圭太事前にリハーサルを数回やっていて、キャスト同士での話し合いもしていました。僕としては一緒に作る人たちとコミュニケーションをしたいタイプなので、映画とは関係ない話もして楽しく過ごしていました。

Q 「空き家に勝手に住んでいる住民たち」の生き方をご自身ではどう感じましたか。

A山科圭太僕自身とは決定的に価値観が違うな、ということと、矢島からしてもそれは同様で、でも自分にはない部分だから魅力的に感じるし、そこに住民それぞれの個性もあるので、そんなところには惹かれました。

Q この映画に携わっての新しい発見などはありましたか。

A俳優 山科圭太(映画『stay』)山科圭太監督の中には初めから強いイメージがあったと思いますが、僕自身は台本からはすぐにイメージがつかなかったんです。でも完成した映画を観て、こういうことだったのかと感じました。台本上では淡々と進んでいく話だったんですが、映画の中では思ったよりもエモーショナルな瞬間が多かったです。共演者の方々との演技の中で心が動かされたので、それがあって矢島としての動きも変わっていき、とても印象的でした。

Q 山科圭太さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

A山科圭太とても静かな映画で、事件のような大きなことは起こりませんが、「人と人が同じ場所に暮らす」という、人間の原初的なテーマを現代に持ってくるとこうなる、ということが映し出されています。そういう普遍的なところをぜひ楽しんでいただけたらと思います。共感できるところもたくさんあると思いますのでぜひ観に来ていただけたらと思います。

Q山科圭太さんからOKWAVEユーザーに質問!

山科圭太皆さんが家で映画を観る時、どういう状態で観るのがベストだと思っているかを知りたいです。画面はスマホなのか大きなモニターなのか、ヘッドホンをしているのかなど、ぜひお聞かせください。

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■Information

『stay』

映画『stay』2021年4月23日(金)よりアップリンク渋谷ほかにてロードショー

とある村の持ち主のいない古い空き家。ここは誰もが寝泊まりし、出ていくことが可能な場所。ちょうど吉田が去ろうとしているところに、村の役所から派遣された矢島が、不法に滞在する5人に退去勧告を言い渡しにやってくる。
長期滞在しているマキが「前にも何人も来たけど、結局追い出せてないから」と予言したように、矢島は、リーダー格の男・鈴山のペースに巻き込まれ、立ち退きを説得できないどころか、サエコの提案でその家で一晩を明かす羽目になり…

山科圭太 石川瑠華 菟田高城 遠藤祐美

監督: 藤田直哉
配給: アルミード

公式サイト: https://stay-film.com/
公式ツイッター: https://twitter.com/stay_film2021
公式Facebook: https://www.facebook.com/stayfilm2021

(c)東京藝術大学大学院映像研究科


■Profile

山科圭太

俳優 山科圭太(映画『stay』)1985年11月2日生まれ、兵庫県出身。
神戸芸術工科大学にて建築を学ぶ。その後、映画美学校フィクションコースに入学し、俳優、監督、スタッフとして映画制作に参加。主な映画出演作は、企画も担当した『あの日々の話』(2019/玉田真也監督)、『僕の好きな女の子』(2020/玉田真也監督)、『ゆかちゃんの愛した時代』(2018/吐山ゆん監督)など。演劇では、玉田企画やマレビトの会などに多数出演。

http://letre.co.jp/artist/yamashina/
https://twitter.com/yamashina1102


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