OKWAVE Stars Vol.543は映画『無伴奏』(公開中)に出演の遠藤新菜さんへのインタビューをお送りします。
合わせて、矢崎仁司監督や主要キャストが登壇したプレミア試写会舞台挨拶の模様もお送りします。
Q 『無伴奏』出演のきっかけと決まった時のご感想をお聞かせください。
A遠藤新菜きっかけは矢崎監督のワークショップに参加させていただいたことです。監督のことは元々知っていて、監督の作品に出演したいと思ってそのワークショップに参加したので、エマ役に決まった時は嬉しかったです。
Q 台本を読まれたご感想はいかがだったでしょう。
A遠藤新菜衝撃的でした。台本を読んで、すぐに原作の小説も読んでさらに衝撃を受けて。衝撃的ではあるけれど、この台本で面白くならないはずがないと思いました。矢崎監督が手掛ける作品ですし、キャストの方々も皆さんすごいので、撮影前から絶対に素晴らしいものになると確信していました。そこに私が参加できるのは夢みたいだと思いました。プレッシャーよりも信じられない気持ちの方が強くてフワフワした気分でした(笑)。
Q 演じたエマのキャラクターをどう捉えましたか。
A遠藤新菜エマは自由奔放で、性に対してだったり、自分を表現することにすごくオープンです。そういう役に巡りあうことがなかったし、なかなか演じる機会はないだろうから、演じていてすごく楽しかったです。物語の時代もそうですし、今の時代にいてもきっと彼女は周りからは刺激的な女性だと思いますし、どの時代にいてもエマはエマなんだろうなと思います。ですので、当時の女性がどうだったのかを学ぶよりも、生物的にエマでいたい、と思って、いい意味であまり考えずに演じました。
Q 矢崎監督から役柄について言われたことはありますか。
A遠藤新菜監督は基本的には何も指示をしたりはなかったです。演じていてどうしても分からないところは相談もしましたが、監督からは「エマだからそれでいいんだよ」「あなたが思ったエマだからいいんだよ」と仰っていただいたのが印象的でした。
Q バロック喫茶「無伴奏」や茶室など印象的ですが、身を置いていかがだったでしょうか。
A遠藤新菜本当に素敵でした。あの時代ならではのものへの現代人としての憧れもありますし、当時の当たり前のものとしてあの喫茶室や茶室で過ごしていた人たちがうらやましいとも思いました。私たちには叶わないような感じ方を当時の方々は感じていたのかなと思いますし、役を通してそういう場所を体験できて良かったです。
Q ファッションも独特で素敵ですよね。
A遠藤新菜台本や原作小説を読んでいる時から、エマは網タイツやチャイナ服だったり、結構突拍子もないアイテムを着こなせている印象があって、衣装を見た時も私の抱いていたイメージともぴったりでした。ああいうファッションを着こなしたり、ああいう髪型にするのは自信がないとできないだろうから、エマとして自信を持って着こなすのは楽しかったです。
Q 共演者の方々の印象はいかがでしたか。
A遠藤新菜寒い現場だったので自然とみんなで集まって暖を取りながら話したりしていましたが、話をして仲良くなっておこう、みたいな義務感をいい意味で誰も持っていなくて、それでいい雰囲気が成り立っていました。皆さんが自分の役だけではなく全員の役に思い入れがしっかりとある状態でスタートした印象があるので、変に気負わず、ナチュラルにエマでいられる環境を皆さんに作ってもらっていました。撮影が始まる前は、それこそいつもTVや映画で見ている皆さんですし、緊張するだろうなと思っていたので、すごく自然に接してもらえて毎日が本当に楽しかったです。
Q 斎藤工さんとの芝居についてはいかがでしたか。
A遠藤新菜斎藤さんともシーンの芝居についての話はとくにしなかったです。祐之介とエマはラブシーンもあったのですが、待機中もその話はせずに世間話ばかりしていました(笑)。もし「大丈夫?」「頑張れる?」みたいな話があったとしたら、逆に邪念が出てきてしまったかもしれません。ナチュラルにスムーズにできたので、斎藤さんの性格や人柄もあるだろうし、すごく感謝しています。
Q ナチュラルに演じられたということは、ご自身の切り替えができていた、ということでしょうか。
A遠藤新菜撮影中はずっとエマでいられたんだと思います。エマを演じるにあたって髪を切った頃から、逆に私自身がどういう人間だったのかを忘れてしまっていました(笑)。多分皆さんも私のことをエマとして接していただろうし、私も成海さんを響子だと思って接していた部分もありました。それと、髪が短かった分、がさつでした(笑)。気になるものが減ると、自然と人間は大胆になるんだなと(笑)、きっとエマもそうなんじゃないかなと思いました。
Q 今回の撮影を通じての気づきを教えてください。
A遠藤新菜今までも自分なりに考えて挑んでいた部分もありますが、今回の現場に参加させていただいて、映画を愛している人たちと仕事をするというのはこういうことだ、と感覚的に感じましたし、すごく満たされる感覚もありました。役柄で自分が考えていることを皆さんに伝えられる機会もありましたし、ありのままいていいんだよと監督や共演の皆さんから言っていただけて、背伸びしていない自分でいられたんじゃないかなと思います。
Q この『無伴奏』への出演を経て、今後はどんな風になっていきたいですか。
A遠藤新菜今回の経験で、もはやどんなことにも抵抗はありませんが(笑)、エマ役で見せた部分だけに焦点を当ててほしくない気持ちと、そこに挑んだ気持ちは伝わってほしいという気持ちと両方がありますね。いまは今後もたくさん映画に出たい気持ちで燃えています。
Q モデル活動をされている時は女優との気持ちの違いはありますか。
A遠藤新菜感覚的には真逆です。モデル活動もまだ探りながらやっているところはありますが、メイクや洋服をかわいく見せたい、という女子としてのきれいな自分を発信したい気持ちがあります。それが女優として現場にいる時にはかわいさは関係なくなります。ズタズタにされてつらいことも多いですが(笑)、そのつらさが楽しいですし、役柄によってはブサイクな自分をどれだけさらけ出してカメラに収めてもらえるかが大事ですので、裏表のようなものだと思います。それぞれに違った魅力があってどちらも楽しいです。
Q 遠藤新菜さんからOKWAVEユーザーにメッセージをお願いします。
A遠藤新菜『無伴奏』は観ていただければ、色々と感じてもらえるだろうと私たちは自信を持っているので、とにかく何回も観に来てほしいです。少なくとも3回は映画館に来てください(笑)。物語は響子の視点で動いていきますが、自分の視点を置き換えると違った見え方ができるので、いろんな視点で何回も観て、友達に薦めてください。
■Information
『無伴奏』
日本中で学生たちが学生運動を起こす混沌とした1969年(昭和44年)に仙台で過ごす多感な女子高校生の響子。同級生のレイコやジュリーとともに、時代に流されて制服廃止闘争委員会を結成し、学園闘争を行っていた。そんな響子が気がかりな両親は仕事の都合で東京に引っ越すが、仙台の進学校に通う響子は、仙台の叔母のもとで過ごすことになる。
レイコに連れられ、初めてクラシック音楽の流れる喫茶店「無伴奏」へ足を運ぶ響子。そこで偶然にも渉、祐之介、エマと出会う。この喫茶店では、好きな音楽をリクエストでき、「バッヘルベルのカノン」をリクエストする渉。響子は、席が隣り合わせになったそんな渉に興味を抱く。
ある日、大学での集会で怪我をして自分の甘さを痛感し、学生運動から離れた響子は、逃げ込んだ「無伴奏」で、渉たちと再会する。響子は、渉に逢うたびに強く惹かれていった。時に嫉妬や不安に駆られ、それでも熱い想いを渉に傾けていく。 だが、いつしか見えない糸が絡み始め、どうすることもできない衝撃に包まれていく…。
出演:成海璃子 池松壮亮 斎藤工 遠藤新菜 松本若菜 酒井波湖 仁村紗和 斉藤とも子 藤田朋子 光石研
監督:矢崎仁司
原作:小池真理子『無伴奏』(新潮文庫刊、集英社文庫刊)
主題歌:「どこかへ」Drop’s(STANDING THERE, ROCKS / KING RECORDS)
配給:アークエンタテインメント
公式サイト:mubanso.com
twitter:mubansou_movie
R15+
©2015 「無伴奏」製作委員会
■Profile
遠藤新菜
1994年生まれ、東京都出身。
『海にしずめる』(13/田崎恵美監督)で映画初出演にして主演デビューを果たす。映画出演作に、『Starting Over』(14/西原孝至監督)、『白魔女学園 オワリトハジマリ』(15/坂本浩一監督)、『やるっきゃ騎士』(15/平林克理監督)など。2014年、第45回「non-no」モデル・オーディションにて準グランプリを受賞、モデルとしても活躍中。ワークショップを経て本作のエマ役を射止めた。
http://ameblo.jp/endo-nina/
スタイリスト:江頭三絵
ヘアメイク:細倉明日歌
カットソー VALENTIJN VANMEIR
ネックレス/バングル/ピアス Anne-Marie Chagnon